直前特番『M-1グランプリ復活記念SP』

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 本番を1週間後にひかえ、特番で『M-1グランプリ復活記念SP』があった。歴代の王者9組が出演(アンタッチャブルは不参加)。事前のアンケートをもとにトークするという内容だったが、売れる前後でどう変わったかという昔話が中心だった。

 特別笑える話はなかったかわりに、ぞっとする話があった。チュートリアルが売れてなかったころ、
「キャラ、個性がないと」
「謎のプロデューサーに言われて」
 白のタキシードを着て、漫才はじまるまえに、タップを踊れと言われ、ことわったら、マジックをやれと言われ……こんな業界人はくさるほどいる。脳みそがくさってると、自分がくさっていることがわからないのだろう。責任をとる気などありゃしない。

 トークの話題で、パンクブーブーは2冠とったのに、なぜ売れてないのかって話題があった。それは視聴者がガッカリしたからだ。おもしろくなくなったM-1の象徴だったパンクブーブーがTHE MANZAI 2011の初代王者になったことで、あ、平成版のザ・マンザイってこういうことだったの、と思った視聴者が大勢いたからだ。制作サイドの思惑ばかり目立つのにシラケたからだ。

 今回の特番の結論として、M-1は第1回の優勝が中川家だったのがよかった、となっていたけど、THE MANZAI 2011はその裏返しだ。

 昨年、ひさしぶりに念のためにと思って、THE MANZAI 2014にチャンネルを合わせてみて、あまりのつまらなさにビックリした。もう個々のコンビがどうというレベルではない。いまの漫才が好きという視聴者は心やさしい人たちばかりなのだろう。

 昭和のTHE MANZAI以前、TVで見る漫才はつまらないものだった。いままたTVで見る漫才はつまらなくなった。復活するM-1に、少しでもM-1魂が残っていたらと願う。
 
 
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