ラストシーンから見るチャップリン映画の本質と魅力

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 チャップリンのコメディを特徴づけるのはその結末だ。最高傑作である『黄金狂時代』をのぞき、ハッピーエンドがない。  次くらいに有名な『モダン・タイムス』のラストは多少明るいが、そう感じるのは同伴者がいるからで、じっさいは 続きを読む ラストシーンから見るチャップリン映画の本質と魅力

ミュージカル・コメディ映画おすすめ12選

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映画の中でも、好きキライの分かれるのがミュージカルだ。そこで、これからミュージカル映画を見はじめよう初心者向けにこれならば、見て損はないはずという12本を挙げる。 とくに、最初の9本はミュージカル映画史に残る作品で、これ 続きを読む ミュージカル・コメディ映画おすすめ12選

原節子が美しく監督も巧みな日本映画Best 3 +α

 少女時代の原節子がその美貌で観客を驚かせたのがあの山中貞雄監督の数少ない作品の1本『河内山宗俊』(36年)だ。  山中監督は若くして、その才能を驚かれながら、わずかな作品を残しただけで戦死してしまった。原節子は女性とし 続きを読む 原節子が美しく監督も巧みな日本映画Best 3 +α

猛獣狩り映画『ハタリ!』がおもしろい理由

 男っぽい集団に女性がやってきて、というのは、映画のひとつの型と言っていい。『ハタリ』が異色なのは、そこが猛獣狩りのチームだってこと。狩りと言っても、動物を虐殺するのではなく、生け捕りだから、安心して見られる。むしろ、ド 続きを読む 猛獣狩り映画『ハタリ!』がおもしろい理由

植木等の映画における代表作・成功作

 植木等に興味をもった人や昔をなつかしみたい世代は『喜劇人に花束を』(『植木等と藤山寛美』増補改題)や『テレビの黄金時代』(インタビュー主体のキネマ旬報版もある)を読めば、最近なにかと話題の昭和30年代にスーパースターだ 続きを読む 植木等の映画における代表作・成功作

寅さん映画の配収ベスト5とシリーズが長期化した理由

 以前書いた『男はつらいよ』の記事に加筆したら、どういう偶然か週刊文春で、シリーズの配給収入ベスト5を紹介していた。  注目点は2つ。  ・5作中4作が90年代に集中している  ・配給収入が15億前後で安定している  4 続きを読む 寅さん映画の配収ベスト5とシリーズが長期化した理由

『毒薬と老嬢』は名監督の異色コメディ

 これは『我が道を往く』とおなじ1944に発表された真逆と言っていい作品だ。3年後に世に出たチャップリンの『殺人狂時代』とならんで、映画史上、ブラック・コメディの先駆とされる。監督は『オペラ・ハット』や『スミス都へ行く』 続きを読む 『毒薬と老嬢』は名監督の異色コメディ

『我が道を往く』はヒューマニズム・コメディの秀作

 コメディといっても、ゲラゲラ笑わせるものだけとは、かぎらない。ハートウォーミング(心あたたまる)映画のように微笑ましいものもある。  『我が道を往く』は有名なアカデミー賞作品で、〈ゴーイング・マイ・ウェイ〉という言い回 続きを読む 『我が道を往く』はヒューマニズム・コメディの秀作

最近にない笑い(再掲載)

 『メリーに首ったけ』という映画の紹介を朝のワイドショーでしておった。試写会にきとった若僧がマイクを向けられて、 「最近にない笑いでしたね」  と、ぬかしておった。  最近にない笑いってなんやねん。そらな、試写会くるぐら 続きを読む 最近にない笑い(再掲載)

『巴里の女性』は監督・チャップリンの代表作

 チャップリンはコメディアンとしてだけでなく、映画監督としても評価されている。なかでも、サイレント映画のドラマ表現を格段に高めたとされるのが、エドナ・パーヴィアンス主演『巴里の女性』だ。  『ルビッチ・タッチ』によれば、 続きを読む 『巴里の女性』は監督・チャップリンの代表作