かわいい女の子のイラストと言えば……の江口寿史。近年は全国各地で展覧会がくり返し開催され、コラボTシャツが何種類も発売されてる。それだけ人気が高いということだ。
イラストレーターとして確固とした地位を得た江口寿史だが、彼の本業は、というか、もともとは、マンガ家なのだ。それも、ギャグマンガを描いていた。
『ストップ!ひばりくん』は美少女イラストのマンガ版
江口寿史は最初、ものすごくセンスのあるギャグマンガ家として登場した。が、同時に、女性キャラクターがかわいい、ということで、またたく間に人気マンガ家となった。
初連載となった『すすめ!!パイレーツ』のときには、野球マンガなのに、当時の少女マンガに出てくるような女の子が次々現れ、コマの中でギャグとからんでいた。
この時点で、飛び抜けた絵のうまさ(とくに、女性キャラのファッションの描写力)をもっていたことは、同業者のとり・みきが具体的に指摘している。
※参考文献 ⇒『マンガ家のひみつ』
が、なんといっても、紙価を高からしめたのは、『ストップ!ひばりくん』だった。そこでは、現在の美少女イラストに通じる女性キャラがコマに中で動き回っていた。
センスある絵とセンスあるギャグが同居
江口寿史は、ひばりくんを描くにあたって、その時点の自分の画力で到達できる最もかわいい女の子を描くつもりで取り組んでいる旨の発現をしている。
ただ、ひばりくんは男なのだが。顔だけでなく、ファッションから小道具にいたるまで、とびきりオシャレな絵で語られる内容は、オシャレな恋愛をからかったようなもの。
つまり、最高にセンスある絵と最高にセンスあるギャグがマンガの中に同居してるっていう。こんなことを80年代前半の少年ジャンプで週刊連載でやっている。
当然、そんな奇跡がつづくはずもなく、絵のクオリティが高くなるほど、原稿の上がりは遅くなり、たびたび連載が落ちることになる。コミックスは4巻で中絶してしまった。
電子書籍なら幻の最終回も読める
しかし、『ストップ!ひばりくん』の人気は根強く、その後も、たびたび版を替えて出され、コミックス版未収録の〈最終回〉も読めるようなっている。
※最新は、フリースタイル版。
イラストに関しては、最新の江口寿史が最上かもしれないが、ギャグに関しては、『すすめ!!パイレーツ』『ストップ!ひばりくん』がベストで、他の追随を許さない。
『ストップ!ひばりくん』を読めば、江口寿史はなによりギャグマンガ家で、ギャグマンガ(とり・みき言うところのストーリーギャグ)をこそ描いて欲しいと思うはず。
江口寿史やとり・みきが毎週ギャグを描いていた80年代より現在の方にいい点があるとすれば、当時のマンガが電子書籍で気軽に読めるようになっていることだろう。
全巻が読み放題=無料になるアプリも
マンガが読み放題になるアプリはたくさん出ているが、kindle unlimitedは『ストップ!ひばりくん』が全巻無料(記事執筆時点)でマンガ以外も読み放題になるから、お得。
裏技的には、Amazonプライムもあって、無料で読める冊数は少ないが、たまにキャンペーンをやる。江口寿史で言えば、『パイレーツ』『ひばりくん』が全巻無料だったことも。
※kindle unlimitedやAmazonプライムは(他の読み放題アプリも)読める本は随時変わるので、そのあたり、あしからずご了承ください。
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