松田聖子「永遠のもっと果てまで」に松本隆が託した大瀧詠一への想い

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 デビュー35周年シングルとして発売された「永遠のもっと果てまで」は、作詞・作曲に松本隆&呉田軽穂を迎えたことが話題だ。というか、作詞家生活45周年になる松本隆がらみで取り上げられることも多い。いずれにせよ、「Rock’n Rouge」以来のチームである。呉田軽穂こと松任谷由実は、松本隆の作詞を松田聖子版「MY WAY」と評した。

 個人的には、美空ひばりの「川の流れのように」みたいだと思ったが、あれじたいが、「MY WAY」みたいなもんだからね。曲の方も詞に合わせた感じである。松田聖子はいつのころからか歌い方を変えたので、いまの歌唱には合ってるのかもしれん。おれはアイドル時代の方が好きだけどね。ホントはうまいのに、「ヘタ」と言われてた反動なのかな。

 松本隆45周年のライヴをやった動機を50周年まで生きていないかもしれないから、と語った。それを聞くと、この詞は大瀧詠一の死を経た松本隆の最新作なんだとわかる。
「相手が生きていようと、死んでいようと、何も変わらない」
 という大瀧詠一との関係や想いを松田聖子の歌手としての歩みに合わせて表現した。

「永遠に限界があるとして、そのもっと先へ行きたいっていう、それはなんかおもしろいなと思って」

 ♪夕陽を絞ったジンジャエール

「すごいよね、1行目から松本隆って感じ」
 と言う呉田軽穂とのコンビは「赤いスイートピー」からだが、松本隆は聖子への1作目「風立ちぬ」を大瀧詠一と組んだ。

 20才まえに大瀧詠一と出会った松本隆はすごい。それだけでなく、細野晴臣や鈴木茂とも出会っていて、大瀧詠一がいなくても、ライヴをやってくれる。この関係にタテマエくさいところがないのもすごい。音楽業界がずいぶん様変わりしても、発言のスタンスが変わらない松任谷由実もすごいし、年令不詳の顔が変わらない松田聖子もすごい。

 あと、このシングル、通常盤の他、限定ヴァージョが3つある。1つがカセットテープなのに笑った。というか、ある意味、感激した。変わらないファンの姿が見えるようで。
 
 
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●松田聖子「永遠のもっと果てまで」
 作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂
 
 
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