学生時代の愛読書はジョーク集。残念ながら、絶版なので、復刻を願って、いくつか収録ジョークを抜粋で紹介。
イギリス編
●子爵夫人がチャーチル首相に向かって言った。
「もし、あなたが私の夫でしたら、コーヒーに毒を入れてしまいますよ」
「もし、あなたが私の妻だったら、飲んでしまうでしょうな」
●作家のバーナード・ショーが募金のための催しに出席し、ブサイクでだれからも相手にされない貴族の未亡人にダンスの相手を申し込んだ。
「まあ! 先生。私みたいな者に、よく申し込んでくださいましたね」
「これは慈善事業じゃなかったのですか」
●博士といっしょに食事をした男が、博士のゴキゲンをとろうとして、博士のひとことひとことに見境もなくゲラゲラ笑った。博士は哲人らしくそしらぬ顔をしていたが、執拗なハッハッハという笑い声に、どうにもガマンがならなくなった。
「失礼ですが、どうなさいました? あなたがおわかりになるようなことは、なにひとつ申し上げておりませんがな」
●窓ぎわで本を読んでる紳士にレディが近づいていった。
「あなたのご本になりたいですわ」
「そうなっていただきたいもんですな」
「なれるとしたら、どんなご本に?」
「カレンダーがいいですな。毎月新しいのに取り替えられますから」
●女主人が笑みを浮かべながら言った。
「まあ、よくいらしてくださいましたわね、グレー少佐。招待状をさしあげたときには、あなたがきてくださるとは思ってもみませんでしたわ」
●裁判官が被告に厳しく言った。
「いいかね、すべてはアルコールだ。キミがこんなひどい姿になったのも、みなアルコールのせいだ」
「そうおっしゃっていただいてありがとうございます、裁判官殿。他の者は、みんなボクが悪いと言うんです」
●考えごとに気をとられた教授が理髪店に入ってきて、髪を切ってもらっている女性のわきにすわった。
「頭を刈ってくれ」
「かしこまりました。ですが、そのまえに帽子をぬいでいただけませんか」
教授はあわてて帽子をとると、周囲を見回した。
「これは失礼。ご婦人が同席とは知りませんでした」
●ぼんやり教授が回転ドアでぐるぐるまわりながらつぶやいた。
「弱ったぞ。出るとこだったか、入るとこだったか、わからなくなってしまった」
●レストランで考えごとをしているぼんやり教授に向かって給仕が言った。
「なにかお忘れではないですか」
「いつもとおなじチップはわたしたはずじゃが」
「はい。しかし、お食事をまだ召し上がってませんので」
●きわめつきのぼんやり教授がいた。彼は奥さんをピシャリと打って、ドアにキスしたのだ。
※注:わかりやすくするため、引用元の表現を一部変更しています。
■引用元
『イギリス・ジョーク集』
船戸英夫・訳編(実業之日本社)1974年
『続・イギリス・ジョーク集』
船戸英夫・訳編(実業之日本社)1979年
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