夜の夢こそ真

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「眠いし、そろそろ寝よう」
 という夢を見て、夢の中で目を閉じた直後に目が覚めた。まるで、このおれが夢の中のおれの夢であるかのような夢。

 しかも、旅先で、撮影現場におジャマして、町はずれの風情のある人けのない通りで、女性に人気のある女性モデルの豪快なポージングに感心し、たまたま通りがかって見学していた地元の3人組の女の子たちとこっちもあと2人男がいたから、明日いっしょに飲みに行く約束をし、それより先に、かわいらしいモデルさんと旅から帰ったら1対1で会う約束をしていて、ホテルにもどったところで、ちょうどそのモデルさんがいたから、しばらく話してから、自分の部屋に入ったんだ。その夢の中で。

 ぜったい、あっちの方が楽しそうやん。

 目が覚めて、しばらく、3人組の女の子たちは明るくてノリよさそうだったから、あれが夢だったなんて、もったいないなぁ、と思いながら、まあ、でも、モデルさんと仲よくなれたんだし、どこへメシ食いに行こうかなと考えて……ちがう。それも、夢だ。

 次は、ぜったい、夢の中に目覚めたい。