第3弾。学生時代の愛読書はジョーク集。残念ながら、絶版なので、復刻を願って、収録ジョークをいくつか抜粋して紹介。
世界ジョーク フランス編 その1
●海軍の練習生が海の真ん中で六分儀を使って艦の位置を測定した。結果を報告すると、そこにいた全員が帽子をとり、直立不動でお祈りをはじめた。
「提督殿。海軍では位置を測定したあと、お祈りをすることになっているんでしょうか」
「いや。キミの測定によると、我々はローマの大聖堂の中にいるのでね」
●年をとった農婦が教会へやってきて、告白をした。
「神父様、私は夫を裏切りました……」
「それはいつのことですか」
「いまから32年前です」
「それでは、もうそんなに深刻な問題ではありませんね」
「でも、聞いてください。それをときどき人に話すのが楽しみなのです」
●大きな女房が今日も小さな亭主をしかりつけていた。
「おまえさんときたら、ひどいエゴイストだね! いつだって、ボク、ボク、ボクだよ。ボクのクルマ、ボクの仕事、ボクの犬……まるで私がこの世に私がいないみたい。よく頭に入れておきな。ここにはおまえさんのものなんて、ひとつもないんだよ! それで、なにをうろうろさがしまわっているのさ」
「あの……ボクたちのズボンだよ」
●とても内気な娘さんが花のタネを買いにきた。
「家のバルコニーに花を植えたいと思っているの……」
それから、顔を真っ赤にしながら、こう言った。
「ちょっとデリケートな質問なんですけど、花を咲かすには、タネを2つまかなければダメですか」
●3つ子を産んだ娘がうれしさと誇りで赤くなりながら、母親に言った。
「ママ、知ってる? お医者様がね、こうしたことは10万回に1回しか起こらないよっておっしゃたわ」
「まあ! おまえそれでよく、お買い物や料理をする時間があったわね」
世界ジョーク フランス編 その2
●酔っぱらいが家にたどりつき、まだ飲みたりないのか、ブドウ酒のびんとコップをテーブルの上に置いた。コップはさかさまだった。ブドウ酒をそそいだが、みなこぼれてしまう。酔っぱらいはじっと目をこらした。
「こりゃ驚いた。このコップ、上がふさがってるぞ」
さらに、コップをさわっていて驚きは2倍になった。
「なんてこった! おまけに、底がない」
●アメリカの大資本家がローマ法王に謁見を賜った。アメリカの大資本家は教会に100万$寄進して曰く、
「ところで、『天にまします我らが神よ。我らに日々のパンをあたえたまえ』というお祈りの『パン』のところを『コーラ』に変えててもらうってわけにはいきませんかねえ……」
●トトがポリテクニック(超エリート大学)出身の父親に訊いた。
「ねえ、パパ。コーヒーを甘くするのは、お砂糖? それとも、スプーン?」
父親は1分ほど考えて答えた。
「そりゃ、スプーンさ」
「じゃ、お砂糖にはなんの役目があるの」
「よくかきまぜたかどうか確かめるためさ」
●生涯のおわりに近く、マドレーヌ・ブロアンはエレベータのない7階のアパルトマンに住んでいた。ある日の午後、友だちの1人が訪ねてきて、息を切らしながら文句を言った。
「どうしてまた、こんな高いここに住むんだい」
「だって、あなた」
とマドレーヌは答えた。
「このトシになると、殿方の心臓をドキドキさせるには、これしか方法がないんですもの」
●人生のたそがれ。老夫婦が公園で、日なたぼっこをしながら、穏やかに会話をしていた。
「なあ、ばあさんや。ずっと隠しておったんだが、わしは若いころ、1度だけおまえさんにないしょで、浮気をしたことがあるんじゃ」
「あら、そうですの。私も1度だけそういうことがありましたわ」
「なあ、ばあさんや。正直に言うよ。じつは、1度じゃないんだ。ホントは2度なんだ」
「あら、そうですの。私も2度そういうことがありましたわ」
「なあ、ばあさんや。ホントは2度でもないんだよ。もっとなんだ」
「あら、そうですの。私もですわ」
「なあ、ばあさんや。いっせいのーで、お互い正直な人数を言うことにしないかい」
「いいですよ」
「じゃあ、いくよ。せいのー……」
「あー、ちょっと待ってください、おじいさん。そのまえに、おじいさんはだいたい何人くらいか、聞かせてもらえませんかね」
世界ジョーク フランス編 その3
●道ばたでバッタリ、ゾウとネズミが出会った。
「キミはなんて大きいんだ! なんて立派なんだ!」
「キミはなんて小さいんだ! なんてやせてるんだ」
そう言われたネズミは、ちょっと恥ずかしそうにうつむいた。
「うん。ちょっと……カゼをひいてたもんだから」
※注:わかりやすくするため、引用元の表現を一部変更しています。
■引用元
『フランス・ジョーク集』
萩野弘巳・訳/磯村尚徳・編
(実業之日本社)1976年
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