『私をスキーに連れてって』は原田知世の白いウェアがまぶしい

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 バブルの象徴のような映画だが、ほとんど原田知世のPVと化している。登場シーンの白いスキーウェアは原田知世のもつイメージとの相乗効果がとんでもない。ゲレンデであんな子に会ったら、好きにならずにいられない。映画が公開された1987年には、じっさい白いスキーウェアがバカ売れした。中身が原田知世じゃなければ、白がくすんで見えたんじゃないかと思うが。

 その後の原田知世を知っている目で見直すと、ずいぶん、おぼこい顔をしている。公開時点では『時をかける少女』のころから脱皮して大人になった印象があったものだ。

 軽いラヴ・ストーリーのBGM では、ユーミンが鳴りっぱなし。ほとんど動くカタログである。ボクは暗い映画がキライなので、こういう気楽な作品の方がよっぽどいやと思っていた。ホイチョイ 3部作のうちの原田知世が出ている 2本はキライじゃない(あとの 1本はストーリーにムリがありすぎる)。
 
  ※ 2本目の『彼女が水着にきがえたら』はこちら
 
 バブルを知らない知らない世代が『私をスキーに連れてって』を見ると、当時のダサさがよくわかると思う。布施博はこのときの役より、もう少し情けないキャラの方が合う。あのころは、こんなニヤけたやつらが学生気分の抜けぬままに遊んでいた。仲間の女性陣がいかにもって感じ。でも、よく見ると、友だち想いの気のいい連中なんだよね。

 とはいえ、あんまりと言えば、あんまりなストーリーだ。ケータイが普及していない時代とはいえ。原田知世のキャラはほとんど少女マンガだし。そのかわり、トボケた表情をながめているぶんには楽しい。それこそ仲間をビールを飲みながら、雑談しもって観るような映画だ。

 たぶん、吹き替えと思うけど、雪の中に頭から突っ込んだ原田知世がひっぱり出されたあとの表情とかね。
 OLやってるときのピンクの口紅。
「あけましておめでとうございます」
 のシーン。
 すっぽかされて、文句を言うところ。
 無謀な行動に出て、
「クセ直せって言ったろう」
 と言われるところなど。

 いちばんの見せ場の「ブリザード」のシーンなんて、ユーミンの曲ありきだもんね。女性陣がクルマでひっくり返る 4分強の間。作り方で言えば、ミュージカルに近い。

 ただ、日本国内において、スキーというのは関東以北の文化なのだ。関西からはメジャーなスキー場が遠すぎる。志賀高原なんて知識としては知っていても、
「シガ」
 と言われると、琵琶湖しか思い浮かばん。

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