少しまえに、NHKで大瀧詠一の追悼番組をやっていたときに、あらためて思ったのだが、鈴木雅之がうらやましい。シャネルズのメイン・ヴォーカルとしてスタートし、ラッツ&スターに改名し、さらにソロシンガーとしても成功する、あの鈴木雅之である。
80年代初頭、もはや古き良きアメリカのポップスにこだわっている人間なんて、自分ぐらいなものだろうと思っていた大瀧詠一。アマチュアでドゥーワップをやっている若者がいると聞きつけた。これがシャネルズ。
アルバム『A LONG VACATION 』で記録的なヒットを飛ばして大物となっていた大瀧詠一は、なんとアマチュアであるシャネルズのところへやってきて、レコーディングをもちかけた。まるでアメリカン・ドリームだぜ。
シャネルズは顔を黒塗りにするというゲテモノ性もあって、デビュー曲からヒット曲を連発した。なんとも、うらやましい話だ。とはいえ、これは音楽でないとできない関係性だねぇ。
ポップスにかぎらず、
「3年くらいのめり込んだら、自分のものになる」
という大瀧詠一は『A LONG VACATION 』の成功で、自分の中での追及はおわっていたのだろう。
「あとは鈴木に任せた」
という言葉を残している。
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