アニメの知名度に関する致命的な問題

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 10月1日(土)17:30~タイムボカン・シリーズの最新作が放送されるというので、事前に声優その他をチェックしてみたのだが……

 リリースされている情報によると、『タイムボカン24』(トゥエンティーフォーと読むらしい)のスタッフ&キャストの中に、なれ親しんだ名前は〈大河原邦男〉ぐらいしか見当たらない。

タイムボカンのおもしろさは声優のアドリブあってこそ

 なんでも、現代キッズの心をガッチリつかむレベルファイブとタッグを組んだという。だったら、わざわざタイムボカン・シリーズと銘打たなくても、新作アニメということでいいんじゃないのか。「タツノコプロのアニメ」を名乗るのと、「タイムボカン・シリーズ」を名乗るのでは、意味合いがちがうんである。

 〈タイムボカン・シリーズ〉と呼ばれるためのコード(要件)というのが、たとえば、10コとかあって、そのうちの1~2コが欠けたくらいなら、番外編、異色作と認めよう。

 しかし、古いファンから言わせれば、スタッフ・笹川ひろし、声優・小原乃梨子&八奈見乗児&たてかべ和也(故人)、音楽・山本正之はマストだ。それが全部なしか?

人気シリーズの寿命が尽きるとき

 こうなると、もはや二次創作である。いくらタツノコプロがかかわっていても。じっさいに『タイムボカン24』を見てみて、おもしろかったとしても、それは別問題だ。独自の名前をつけ、「タイムボカンにオマージュをささげた新作」にしておけば、成功した場合は自分たちの手柄になるし、失敗してもタイムボカンの名を汚さずにすむのに。

 これはタイムボカンにかぎらず、すべての人気シリーズに言える問題なんだけどね。商売がからむと、〈いちど売れた名前〉を使うことが有利になる。げんにボクがとやかく言ってるのも、〈タイムボカン〉に反応してだから、広告効果は抜群だ。こうして、名前だけが受け継がれ、中身は書き替えられる。やがて、人気の寿命も尽きてしまう。
 
 
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