『タイムボカン24』はやっぱりいろいろと納得がいかない

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 あえて、リアルタムで『タイムボカン24』を観てみた。ひとことで言うなら、これは『タイムボカン』のリメイクではなく、〈タイムボカン・シリーズ〉リミックスである。

 もし、想定視聴者層にオールド『タイムボカン』ファンも入っているのなら(親子で楽しんで欲しい、みたいに)、ずいぶんとナメられたもんだな、というのが正直な感想だ。

『タイムボカン』だけ見ていても『タイムボカン』は作れない

 新シリーズの第1話目はむずかしいから、こまかいことをとやかく言うつもりはない。新作である以上、設定についても原則不問にしたい……ところだ……が、それにしてもだ。『タイムボカン』を名乗る以上は『タイムボカン』の基本精神は継承すべきだろう。〈タイムボカン〉という言葉へのヘンな意味づけなどせずに、な?

 シリーズのシンボルマーク的な存在であるオダテブタを使いたい気持ちはわかる(本来、オダテブタはシリーズ第2作『ヤッターマン』の後半から登場)。そこは大目に見る。

 けど、おしおきまでやってもうたら、それは『ヤッターマン』やん。設定は『オタスケマン』やん。ネーミングは『ヤットデタマン』やん。その上、(以下略)やん。

昔の『タイムボカン』は第1話からセンスが光った

 対して、『タイムボカン24』に『タイムボカン』らしさは善玉メカの造形以外、ほとんど見当たらない。『タイムボカン』はシリーズ中、悪玉トリオのヒール度が高いことで有名だが、あまり語られていない特徴として、ストーリーテリングがしっかりしているところがある。お約束のギャグをならべて一丁上がりとするのは、『ヤッターマン』以降だ。

 〈タイムボカン・シリーズ〉はどれだけマンネリでも、三悪のかけあいやギャグ・センスがあったから話がもったのである。ギャグを成立させるネタふりがしっかりしていた。『夜ノヤッターマン』が意外にいけたのは、過去のシリーズとは切り離したからだ。

 なにより、今作ではじめて接する子供は、こんなもんでコーフンするのか?
 
 
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