吉幾三「酒よ」
作詞/作曲:吉幾三
(27万枚/翌年26位)
シンガー演歌ライターがコミカルなものから、一転マジメにやって、ヒットした。ボクの知り合いの女の子は、これを日本のソウル・ミュージックと言った。じっさいは、フツーの演歌で、歌詞に♪演歌を聞きながら~という箇所がある。タイトルからもわかるように、酒に語りかけているんである。シャケに語りかけているのではないから、まちがわないように。
松田聖子「旅立ちはフリージア」
作詞:Seiko/作曲:タケカワユキヒデ
(20万枚/年間37位)
シングルとしては、初の松田聖子作詞で、記念すべき24曲連続1位達成。作曲に奥居香を迎えた次のシングル「Precious Heart」(89・11)でついに1位獲得ならず。12月発売の同名アルバムでは、松田聖子が全作詞を手がけた。つまり、連続1位が途絶えたことが――直接の理由ではないにせよ――アーティスト=聖子誕生のきっかけとなっていく。思えば、松田聖子はデビュー当時からして、バッシングされていたのであった。
浜田麻里「Heart and Soul」
作詞:浜田麻里/作曲:大槻啓之
ソウル・オリンピックのイメージ・ソングだった、知らんかった。いまにして気づけば、浜田麻里は長戸大幸プロデュースで、ビーイング系の源流なんですよ。それで、当時の違和感はだいたい説明できる。本格派の女性ロック・ヴォーカリストというふれこみで、ラウドネスのドラマー=樋口宗考がサウンド・プロデュースしたのが話題だった。ラウドネスは言わずと知れた日本が世界に誇るヘヴィメタル・バンドだ。
鈴木祥子「夏はどこへいった」
作詞:川村真澄/作曲:鈴木祥子
鈴木祥子はバック・ミュージシャンをしていたが、作曲などのセンスを買われ、ソロ・アーティストに。音大卒で不思議な雰囲気をもつ遊佐未森や安藤秀樹、片桐麻美などと「NEW ACOUSTIC FRAGRANCE」というツアーをやったりしていた。10年あとだったら、癒し系としてもてはやされたかも。鈴木祥子や遊佐未森はNACK5やBAY FMといった第2FMでレギュラーをもったりして、そういう方面での浸透をねらっていた。
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