1971年11月発売のヒット曲と話題

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尾崎紀世彦「愛する人はひとり」

 作詞:阿久悠/作曲:筒美京平
 (39万枚/年間16位)

 タイトルが気になる。愛する人はひとり、なのだろうか、ホントーに。もちろん、そう歌った方が女性ウケはいいだろう。つきあってる彼女のまえで、「愛する人は2人」とか3人……4人……などと歌ったた日にゃ、殺される危険性がある。けど、だれもがはじめから最愛の人と出会えるとはかぎらない。2つ目、3つ目、4つ目の恋があってこそだ。ところが、ポップ・ミュージックのモラルはあまり、そういう思想を許容しない。
 
 

注目の歌

 大滝詠一「恋の汽車ぽっぽ」
 
 

■音楽&芸能Topic 1971.11

 はっぴえんど2ndアルバム『風街ろまん』発売。この成功により、日本語ロック批判の声は出なくなった。楽曲のクオリティも高いが、レコーディング技術も当時最先端の8チャンネルのマルチトラック・レコーダーが使われ(前作は4チャンネル)、非常にいい音で録音された。アルバムを1つの作品として見せるやり方はビートルズがはじめた。日本では、はっぴえんどがレコーディング・アーティストの先駆けだった。

 桂米朝『艶笑上方落語~いろはにほへと~』発売。米朝初の〈ソロ・アルバム〉だったが、
「それまで落語のレコードは千枚もはければ上等で、二千枚なら金一封が出た。それがこの艶笑もの、追加、追加で一万近くいき、翌年、続編まで製作した」
 という。つやばなしは愛好家がいるからというものの、米朝のすごさあってのこと。東芝EMIもまだアブナイ作品を発売禁止にするなんて野暮はしなかったようだ。
 72年8月に第2弾『艶笑上方落語~続いろはにほへと~』発売。

 
 
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