小柳ルミ子「わたしの城下町」
作詞:安井かずみ/作曲:平尾昌晃
(110万枚/年間1位)
デビュー曲にして、年間1位のミリオンセラー。ボクらの世代からすると、アイドルだったってのが信じられない。♪格子戸をくぐりぬけ 見上げる夕焼けの空に 誰が歌うのか子守唄 わたしの城下町~というのは、うちの母親がカラオケで歌ってたのを見た記憶がある。これと「瀬戸の花嫁」どっちにしようかって。〈好きだともいえずに 歩く川のほとり〉と〈初恋のもどかしさ〉を歌ったものだが、そのわりには、お姫様きどりだ。
井上順之「昨日・今日・明日」
(31万枚/年間26位)
井上順之って、だれ? 井上順です。あのTVタレントの――と言っちゃいけない、スパイダースの。マチャアキとならんで人気のあった彼のソロ活動。スパイダースは解散こそ、この年だが、69年ごろよりソロ活動が目立つ。70年には、音楽的支柱だったかまやつひろしがソロアルバムを出した。いまの感覚だとピンとこないかもしれないが、井上順は二枚目がコミカルな味を出すタレントの草分けであった。当然、その〈笑い〉はぬるい。
PYG「花・太陽・雨」
作詞:岸部修三/作曲:井上堯之
GSの三大バンドの選抜メンバーによるスーパー・グループ。タイガースから沢田研二(Vo)と岸部修三(B)、テンプターズから萩原健一(Vo)と大口広司(Dr)、スパイダースから井上堯之(G)と大野克夫(K)。日本にかぎらず、スーパー・グループというのは成功しない。サウンド的には脱アイドルを目指したニューロック風で、せっかくこのメンバーで、というのが活かされていない。人脈形成という視点からは興味深い。
ミッキー・カーチスとサムライ「ビジョン」
デビュー・アルバム『河童』も同時発売。これを聴いたときに、Charが「ザマアミロ」と思ったっていう。つまり、日本でも、こういうカッコいい音楽で海外進出できるんだって意味で。キャロルを世に出したのも、ミッキー・カーチスだ。おなじ〈ロカビリー3人男〉の平尾昌晃が「わたしの城下町」の作曲をしてるというのに、ずいぶんとロックな話だ。ちなみに、もう1人の山下敬二郎は柳家金語楼の息子だ。
湯原昌幸「雨のバラード」
(55万枚/年間8位)
ロカビリー~GS時代のスウィング・ウェストのヴォーカル、68年5月のスウィング・ウェストのシングル「幻の乙女」のB面をリメイク。
おすすめの歌・注目の歌
北山修と加藤和彦「あの素晴しい愛をもう一度」
はっぴいえんど「12月の雨の日」
■音楽Topic 1971.04
『ニューミュージック・マガジン』が第2回日本のロック賞を『はっぴいえんど』に授けた。以下の優秀作として、遠藤賢司『NIYAGO』、クニ河内『切狂言』、フード・ブレイン『晩餐』、岡林信康『見るまえに跳べ』があげられてる。これに内田裕也が反発したことから、日本語ロック論争が巻き起こった。これまで、日本ではロックは英語で歌うものとされてきた。フォークは日本語でやったが、これらはメッセージ色が強い。
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