『ザ・ベストテン』などへのTV出演がそのつど話題になっていた〈ヴィジュアル期〉などとと呼ばれる時代のジュリーの代表曲。
いっしょに住んでいたらしい男女の別れ。阿久悠作詞の見事な男の美学とスター性タップリのジュリーのコラボレーションが見事。ということを前提に話させてもらうのだが、
♪せめて少しはカッコつけさせてくれ
寝たふりしてる間に出ていってくれ
という部分。昔から、どーしても、
「ネタふり」
と思ってしまう。
芸人かっ?!
っていうね。オチ言うまえに出て行ってくれってことなのかと考えてしまう。そうすると、2番の、
♪朝までふざけようワンマンショーで
という部分も、TVで歌っているスター歌手をイメージするのはまちがいで、ピン芸人が失恋話をネタにしようと、いわゆる〈ネタをくってる〉状態なのだ。スタンダップコミックの練習風景といったところ。
〈さよなら〉と〈あばよ〉のちがいにこだわるあたり、知的なセンスのある芸風にちがいない。〈愛というのに照れてた〉なんてのもシャイな芸人っぽいし。
〈夜というのに派手なレコードかけて〉も問題ないくらいのマンションに住んでいるってことは、すでに成功した芸人で、ということは、女の方もモデルとかやってるイイ女なのだろう。
阿久悠はよく、歌と時代の関係を口にしていたが、80年代の新しい芸人像を先取りした歌だったわけだ。……なんてね。
「アア アアア アアア アア」
という詞にまで節をつけた大野雄二のセンスもなかなか。
「勝手にしやがれ」 ⇒ 詳細はこちら
●沢田研二「勝手にしやがれ」
作詞:阿久悠/作曲:大野克夫
1977年05月発売(年間4位)
【関連記事】
1977年05月発売のヒット曲と話題
1960年代のヒット曲と話題
1970年代のヒット曲と話題
1980年代のヒット曲と話題
1990年代のヒット曲と話題
2000年代のヒット曲と話題
2010年代のヒット曲と話題