ここ数年、10代から20代前半の女子に支持を得ているシンガーとして必ず名が挙がる西野かな。どこに、それだけリスナーを惹きつける力があるのか、代表曲「Darling 」で見てみよう。
まず、だれでも気がつくのが、サビの、
♪ねぇ Darling
というフレーズのキャッチーさだ。カラオケでなら、
「ダーリン」
とテレずに言えるというリスナーも多いだろう。彼氏がいなくったって言えるからね。
ちなみに、沢田研二の、
「ダァ~~~リ~ン~~!」
は恥ずかしいし、カラオケで歌うのはむずかしい。
西野かな版は、ダーリンと言いつつ、
♪靴下も裏返しで
もー 誰が片づけるの
と母親が幼な子を見守るような眼差しである。そして、案外、10代の女の子の方が恋人に対して母親気分で接する。
でも、裏で10代に響くのは、
♪Ah なんで好きになっちゃったのかなぁ
につづく、
♪私って少し変わり者なのね
の部分。リスナーは〈私〉の歌だと思う。その他の歌詞もまるっきりスキがないほどに10代が好きそうな心情あるあるがならんでいる。恋してても、未経験でもわかる。
その言い回しもまた、職業作家には書けない〈そのまま〉が人気の秘密。
「Darling 」 ⇒ 試聴はこちら
●西野かな「Darling 」
作詞:Kana Nishino/作曲:Takashi Yamaguchi
【関連記事】
1960年代のヒット曲と話題
1970年代のヒット曲と話題
1980年代のヒット曲と話題
1990年代のヒット曲と話題
2000年代のヒット曲と話題
2010年代のヒット曲と話題