TVの文章レベル低すぎ:『ど根性ガエル』は伝説のマンガじゃない

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 満島ひかりの名前が気になって、初回チェックしようと思った『ど根性ガエル』実写ドラマ版。放送まえにひろし役の松山ケインイチが番宣に出てて、画面の右上に告知テロップが表示された。そこで、『ど根性ガエル』を〈伝説のマンガ〉扱いしてたんである。

 『ど根性ガエル』は原作のマンガ以上に、アニメ版が浸透していたんだが、そこはこのさい目をつむろう。

 気に入らないのは、〈伝説の〉である。じゃあ、どういう言い伝えなのか言ってみろ。

 TVの形容詞が大げさなのは、いまにはじまったことじゃない。笑えもしない番組に〈爆笑〉ってついてたり、視聴者の許可なく、〈1億3000万人の〉とか称したり。

 今回の〈伝説〉にいったっては、言葉のニュアンスを誤解しているとしか言いようがない。〈往年の人気アニメ〉と言えばすむところを大げさに言ったつもりなんだろうけど。

 〈伝説〉と言うからには、
「話には聞いてるんだけど、じっさいには見たことがない」
 という背景がなければいけない。何度も再放送されてるようなアニメに使う言葉じゃない。ウルトラセブンには、再放送されない禁断の回があるが、それが放送されるんなら、

「伝説の回がついに解禁!」

 となる。あと、〈ついに〉も使われすぎ。〈ついに実写化〉とか。待ってねぇし。

 もっとも、〈ついに〉は悪い意味でも使う。70年代後半のアニメブームでは、特撮ドラマの代表だったウルトラマンまでアニメ化された。こういうのも〈ついに〉だ。

 で、満島ひかりは〈声の出演〉となってたが、ピョン吉役で、〈ついに〉画面には姿を見せなかった。いっそ、満島ひかりを平面にしてたら、〈伝説の〉ドラマになったかも。

 あ……

 それだと、ただの満島ひかりTシャツか。
 
 
  『ど根性ガエル』 ⇒ アニメ版はこちら

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