昔から、この人の自己演出力には、舌を巻いていたが、あいかわらずである。
「変わらないねー」
というのは、たいていお世辞だし、はたして変わらないことがいいことなのかって問題もあるのだが、吉田美和は50才になっても吉田美和だった。女優としての才能はないと思うが、吉田美和を演じることにかけては、他の追随を許さない。ファンが期待する通りの吉田美和をやり切る。
くり返すが50才だぜ。自分のまわりの50才に訊いてみるといい。28才のときの自分のイメージとおんなじでいられるか。
たとえば、番組内で過去の自分の映像が流れて恥ずかしがる吉田美和のいかにも吉田美和なようす。ホントは恥ずかしがらなくていいけどね。なんにも変ってないから。その映像はライヴを記録したもので、MCから歌うようすまで、まったく吉田美和だった。自分の見せたい通りに自分を見せている。
ドリカムの詞はこまかく見れば、いろいろ種類はあるけれども、基本姿勢は〈うれしたのし大好き〉である。作詞もしている私の幸せアピールだ。スタジオ・ライヴで披露した10曲メドレーはいきなり、
♪きっと何年たっても
からはじまる。見事だ。何年たっても、まったく違和感がない。立派だ。凡人にはとても到達できない域に達している。
残念だったのは、番組の作りの方で、せっかくヴァラエティ形式にしたんなら、陣内を呼んだんなら、もっとちゃんと作り込めよ。毎週やってたころは、
「あ、残尿感」
なんてノリノリだった陣内孝則がこの復活版で、らしさを出したのは、ラストのトークで感極まって口走ったひとことだけだった。
「言っちゃいけないんだろうけど、もうひとりいたしね」
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