有頂天「猫が歌う希望の歌」は映像もいっしょにどうぞ

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 たとえば、CDジャーナルがケラをゲストに迎えて、ケラ&ザ・シンセサイザーズのニュー・アルバム『BROKEN FLOWER 』のことを中心に訊いている。ボクが見ているのは、そのWeb版である。

 いまどき驚くことではないが、記事中には動画が3つ埋め込まれている。Webマガジンの普及期にはそんなことが大げさに喧伝されたが、もはやフツーの光景だ。

 とくに音楽の場合は、しょうもないライターの文章を読まされるより手っ取り早いわけで、雑誌の存在意義なんて、もはや作り手のインタビューぐらいしかないんじゃないかという気さえする。

 80年代にウォークマンが出て、MTVが登場して、音楽の聴き方が変わった。30年ぐらいたって、音楽はダウンロードするものになり、YouTubeの映像をながめるものになっている。

 キミがもし、CDジャーナルでケラの記事を読みながら、動画再生の矢印を押せば、BGMにもなるし、曲がおわったら、次はどの映像を見る? とでもいうように、映像のリンクによって、YouTubeからさいそくされる。そのレコメンドはCDジャーナルのあずかり知らぬところだ。

 みんなの感想を知りたければ、ツイッターで検索をかければいい。ずいぶん思い入れのある人、深く聴いている人たちが多いことに驚く。それだけをながめていれば、ものすごい傑作が誕生したみたいだ。

 でも、キミはYouTubeを再生しさえすれば、自分の目で確認することができる。まだ、かろうじて、表現の自由は守られているようだから。

 タダで見ることのできる映像のクオリティにキミは驚くかもしれない。才能さえあったら、されを見てもらえる場所が存在する。

 いちお、CDジャーナルが紹介していることになっている3曲の中では、ボクは歌も映像も、同時発売の再結成記念ミニ・アルバムの有頂天の「猫が歌う希望の歌」がボクは好きだ。もはや歌に映像は欠くことのできないものになっている。拡散してもらうために。

「理想のフルアルバムっていうのは、一枚を聴き終えた時、ひとつの旅を終えたみたいに感じられるもの」

 というのは、すごくよくわかる。

「40日譲はメンバーと一緒に作業しましたね。ちょうど、芝居を一本作るのと同じぐらいの日数です」
「演劇の台本は、やっぱり2か月くらいそれだけに没頭しないと書けないんですね」

 でも、ちょっと思ったのは、完成度が高まってくると、それによって失われるもののも多々あるんじゃないかってこと。10代のボクは雑誌の断片にさまざまな想像をかきたてられていた。
 
 
●「猫が歌う希望の歌」
 『lost and found』に収録

  ⇒ 詳細はこちら
 
 
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