このところ、快進撃の感があるマンガ家・東村アキコ。連載中の『東京タラレバ娘』がいま出ている『anan』でマンガ大賞を受賞したのにともなって、コメントを寄せている。それによると──
アメリカのドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』が好きで、30代後半で恋愛の話ばかりしててすごいなと思っていたら、自分がその年令になったら、まわりも似たようなもんだったってのが発想の源。
もうひとつ、東京オリンピックが決まって仕事場が原宿にあるので、なにかと縁があるから。ま、オリンピックじたいを取り入れるのはだれでも考えそうなことなんだけど、それにカウントダウンに使ったのがアイデア。
女子会ばかりやっている33才の女3人。彼女たちがオリンピックまでに結婚すると、そうすれば、幸せになれる、と。東京オリンピックという目標を設定することで、あせりが二重になってくるという仕掛け。
この3人にはモデルがいて、「……だったら」「……になれば」ばっかり言っている友人たち。結婚したければ、「もっと動け」とか「理想を下げろ」と思うんだけど、直接は言えないので、マンガにしたんだとか。
驚いたのは、編集部のコメント。主人公たちの年令が『anan』の読者層と重なるという。昔は、もっと若くて、オシャレな女の子たちのための雑誌だったのにね。ある時期からニュータイプの女性週刊誌みたいになって、下ネタが増えた(この号もメインの特集は「佐々木希みたいなおしゃれ美乳」になること)。それとともに年令層が上がった印象はあったが、ここまでとは。東村アキコは「昔」=若いころ読んでたらしいからね。
じつは、いま出ている『JJ』でも取り上げられている『東京タラレバ娘』。東村アキコは25才の読者に向けて、……タラ……レバ言ってると東京オリンピックの30才なんてあっという間だぞとアドバイスしてる。
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