きゃりーぱみゅぱみゅが伊集院光に呼応?アレクサCM批判

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 きゃりーぱみゅぱみゅのツイッターの内容をデイリースポーツ(2019/09/04)がわざわざ報じている。記事の内容は無に等しいが、出来事が時代の気分を反映しているので、取り上げる。デイリースポーツの記事によると──

 歌手のきゃりーぱみゅぱみゅが3日にツイッターを更新し、「アレクサのCMの息子みたいな男苦手だな~」とつぶやいたところ、1・5万件ものいいねがつくなど、同意の声が多数上がった。

 (引用元:デイリースポーツ | きゃりー、母親に電話で肉じゃが教わるCMの息子に「苦手だな~」

 ということらしい。記事によると、このアレクサのCMは「ネットでも以前から話題となっていた」そうだ。

 問題は、きゃりーぱみゅぱみゅがなぜいまになって、アレクサのCM批判をしたのか。もちろん、たまたま目にして、たまたまつぶやいただけのことかもしれない。ツイッターの性質を考えれば、そう考えるのがフツーだろう。しかし、このテレビCM、5月19日から放送されているのである。なぜ、9月3日になって?

 考えられる理由のひとつがTBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』だ。9月2日深夜(3日午前1~3時)放送の冒頭で、伊集院光が、
「今週また気づいちゃったんですよ、ヤなCM」
 と「アレクサのCMで肉じゃが作ってるやつ」について語ったからだ。

 その中で、伊集院光が「みなさん、どうですかっていう」感想を求めたもを聞いて、きゃりーぱみゅぱみゅが呼応したのではないか。もし、それと無関係にツイートしたのなら、むしろ、ニュースにしたいくらいのシンクロぶりである。前出の記事は、きゃりーぱみゅぱみゅのツイートにいつもより1ケタ多い「いいね」や350件を超えるコメントがついたと報じている。

 アレクサのCMじたいは、公式のチャンネルで動画が見れる。

 (参照元:Amazon Japan Official | Amazon Echo テレビCM 「肉じゃがが母さんの味にならないよ」篇)

 ご覧の通り、CMの中の青年は出てきた瞬間、しゃらくさいニオイをプンプンさせている。が、CMから立ち上る不快さの本質はそこではない。あの「物語」や「画ヅラ」の気持ち悪さは、CMクリエイター側の内面からきている。

 すなわち、現代のジェンダー観を反映したイケてるCMを作っているオレ(たち)という腐臭がただよっている。伊集院光流に言えば、「表面的には昔みたいな、女の人が料理をするのがあたりまえみたいな、女の人が料理をして彼氏にふるまうのがあたりまえですよみたい時代じゃない、よ、みたいな空気をまとってるような」CMだ。

 息子が「母さんの味」を再現して彼女に食わせようという異様な行為やそれに対する母親の言動の奇妙さを見るかぎり、CMクリエイター側が思っているほど、好ましいジェンダー観をもっているとは思えない。

 アレクサの類には少し興味があったが、もし、AIスピーカーのもたらす未来がこんな景色だったら、ボクはいらない。