『早子先生、結婚するって本当ですか?』をふり返って

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 松下奈緒主演ドラマ『早子先生、結婚するって本当ですか?』は全9話で最終回を迎えた。後半に入るにしたがって、脇役の貫地谷しほりがどんどん目立ってきて、最後に披露したウェディングドレス姿には、インスタグラムでも「いいね!」が集まった。

 5話で、突然机の陰から飛び出してきてオスカルをやるというコミカルな行動を見せたあたりから、ミカ先生こと貫地谷しほりの比重が高まり──

 6話は、梅子先生(顔が似ているとよく言われるらしい佐藤仁美)に好きな男(成宮寛貴)をゆずるという、せつない役を演じたあと──

 7話は、大学時代の先輩と再会で、関西弁を解禁し──

 8話は、亜衣子(佐々木希)に電話できない千駄木(八嶋智人)に「殴るよ」とツッコミを入れ──

 9話は、高校時代の友人役で、めぐやん登場。ほんの一瞬というか二瞬だったけど。その合コンで知り合った十条(尾上松也)と結ばれる。このやりとりもちょっと変わってて、
「貫地谷的に十条さん、何考えてるか分からなくて結構ツボです」

 突拍子もない行動、関西弁の心の声(from『女くどき飯』)、ツッコミ、ユーモラスな会話……と、どれも貫地谷しほりスタイルと言っていい演技のヴァリエーション。

 しかし、ミカ先生の女子力高い設定との整合性には疑問が残る。もっとも、松下奈緒に言わせれば、ふだんの貫地谷しほりも「女子力高い」そうだが(飲み物とかに気を使っていることをさして、そう言っていた)。ひょっとして、あれか。〈女子力高い女コスプレ〉なのか。

 対する早子先生の松下奈緒は演じようがない。もともと、主役は受けの演技を要求されることが多いんだけど。存在意義はナレーションだけになっていた。

 現場の雰囲気はよさそうだったけどね。

「しかし台本読んでるのに、たくさん泣いちゃったなぁ。
凪太郎さんの最後の『はい』が聞けて本当に良かったです。」
 
 
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