「音楽神を見る儀式」
〈細野晴臣コンサート2014〉と題されたミニツアーの関西方面は昨年にひきつづき京都・磔磔(40周年だとさ)であった。今回は4月の21~22日の2日間。近年は人前に出ることが多いなぁと思ったら、出だしてから、けっこうもう足かけ10年になるんだ。月曜のアンコールにゲストで出た高野寛のコメントで気づかされた。ずっといっしょにやってる高田漣や伊賀航、あるいは、ドラムの伊藤大地にとってそれはどんな意味をもつのだろう。
それにしても、自分が大人になったときに細野さんのライヴが楽しめるっていうのは、得した気分だなぁ。アルバムのプロモーションとは無縁の、ライヴをライヴとして存在させるライヴ。音も含めたその空間を味わい深いものにさせるための選曲、アレンジ、演奏があり、訳したての詞も披露される。ゆったり落ちついたムードの中にも、ピークはちゃんと用意されていて、中盤はこのところ定番の「Body Snachers」で盛り上げる。
しかし、わざわざ足を運ぶ値打ちがあるのは、個人的に好きな曲よりも、自分の知らなかった曲やそれほど気にしてなかった曲が生演奏によって艶やかに迫ってくることだ。こういうライヴこそセットリストをあとで確認したいものだが、そのへんはラフなスタイルらしく、ない。でも、いまどきはネットで親切な客が投稿してくれてるようなサイトがあるんだね。全日載っているわけではないのが残念だが。
こういう時代なんだから、記録用に撮ってる映像を気楽に見られるようにしてくれんかな。将来の商業活動の思惑があるのかもしれんが、全部は使わないんだから。低画質のダイジェスト版でいいから、そのかわり、全曲確認できるようにしてもらって。MCは完全収録で。2005年のライヴの記録もおもしろい話は全部カットされてた。そういう金が取れるレベルではないと判断されたものを無料公開すれば、集客効果はあると思うけど。
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