佐野元春 Smoke & Blue@大阪 2014.5.8

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「そうさ、泣かないで……こんな夜……」2014.5.8

 〈Smoke & Blue〉と題された佐野元春の3ヵ月連続ライヴが2012年につづきビルボードでおこなわれた。大阪の5月は8~9の木金、例によって2ステージずつ。メンバーは前回とおなじ、古田たかし、Dr.kyOn 、井上富雄、笠原あやの。角度的に元春のうしろに隠れてたんだけど、チェロの効果というのが大きい。ふだんのコンサートでは演奏されないナンバーをたくさんやる品ぞろえで、すわって見る落ちついた会場にふさわしい。

 このまえの細野さんのときも思ったけど、こういう小じんまりしたライヴは客をあおる必要がないせいか、ちゃんとしたMCがおそい。感性に対して、「ありがとう」とこたえるだけで、たんたんと進んでいく。が、個人的には、こういうときほど早めに話してくれた方が落ちつくんですけど。それほど好きでなかった曲でも新解釈の演奏によって、詞の届き方が変わってくる。レアといっても、あくまで自作をならべるのが元春らしい。

 クライマックスはボクの大好きな「夜のスウィンガー」で、日本語を多用したヴァージョン。2012年5月にオマケとして出た音楽詩集で、過去作品の詞を詩に置き換える試みをしていたけど、それをもういちど歌にフィードバックする形だ。もともと、「夜のスウィンガー」は魅力的であると同時に、作詞面で大きな欠点もあるので、完全リニューアル・ヴァージョンが聴いてみたい。編曲をどんどん変えるみたいに詞も更新すればいい。

 ビルボードでのライヴは会場の高級志向もあって、集まってくる客の年令層も高い(ようはチケットが高い)。ディナー・ショーに近い位置づけなのだろうが、ライヴハウスっていうことであれば、飲食はもう少し気楽な値段にしてもらえんか。1ステージ1時間20分を切るのも演者や客の年令に合っているのかもしれないが、少々ものたりない。2ndステージの21:30~というおそさは大人っぽくていいが、泊まるか夜中まで遊ぶ人向けだな。 
 
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