2005年05月発売のヒット曲と話題

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大塚愛「SMILY」

 作詞/作曲:愛

 ちょっと意外だった。FMから流れてきたとき、声は大塚愛だと思ったものの、曲調からひょっとして新しいガールズ・バンドかと思ったのだ。定期的にいるでしょ、軽くて明るくてメジャー感のたりない、それなりに割り切ってしまえば楽しめなくもない人たち、そんな調子だった。もともとバンド志向はあったけど、売れが弱そう。大塚愛は楽曲よりも、カジュアルなセクシーさで売れてるアイドルってことか。両A面の「ビー玉」は無難。
 
 

奥田美和子「雨と夢のあとに」

 作詞:柳美里/作曲:平義隆

 なんでも、柳美里の話題作『命』を読んで、自分を救ってくれる人はこの人しかいないと思って手紙を書いたのが縁で、柳美里プロデュースによる再デビューというちょっと変わったいきさつをもつ。そして、柳美里原作によるドラマの主題歌に選ばれた。まあ、まあ、よかったんじゃないッスか。作者に読者が感情移入し、これは私だ! と思うのはありがちだけれど、興味深かったのは、この2人、顔が似てる。楽曲に興味はもてませんが。
 
 

タッキー&翼「仮面」

 作詞:小幡英之/作曲:酒井ミキオ

 いま旬なはずのタッキーこと滝沢秀明であるが、NHK大河ドラマ主役というタイミングで出すには、フツーだ。アイドル歌謡としてクオリティが低いわけでもないけど。いつものタッキー&翼で、そもそも、いつものタッキー&翼というのが、どうしたいのかイマイチわからないグループである。2人組ってことで、KinKiのあとを行きたいのかどうか。いっそのこと弁慶役の松平健と「義経サンバ」とか出してた方がよかったかも。
 
 

小田和正「たしかなこと」

 作詞/作曲:小田和正

 明治安田生命企業CM曲、たしかにTVで流れてますね。このジャケットのイラストはだれなんだろう、6月発売の5年ぶりオリジナル・アルバム『そうかな』(B0009F48Z4)もいっしょの人です。アルバムは11曲中9曲がタイアップというすさまじさ。NHK『ポワロとマープル』のあとのアニメ『雪の女王』のエンディング「大好きな君に」も収録。やはり、詞曲が書けて、個性的な声をもっているっていうのは強い。ファンはたまらんのだろうな。
 
 

特撮「綿いっぱいの愛を!」

 作詞:大槻ケンヂ/作曲:NARASAKI

 2年3ヵ月ぶりのシングル。『ヌイグルマー』同様、短編小説と連動してるという。メディア・ミックスを悪とは言わんが、企画書抜粋みたいな歌詞を聴かされてもなー。それでも、大槻ケンヂは根強い人気があるようで、筋肉少女帯の古いCDやエッセイ集も、Amazon.co.jpやヤフーオークションでよく売れているようだ。曲はプロデューサーを務めるギターのNARASAKIが譜割りにこだわったものなんだそう。同名アルバムも発売。
 
 

クレイジーケンバンド「タイガー&ドラゴン」

 作詞:横山剣/作曲:横山剣

 もともと、2002年12月に発売された。同名のドラマに起用されたことからの再発。内容はそのままで、税込み\1512 が\999となった。インパクトのある歌詞は、完成度が低いためか、全体に意味不明になっているが、近田春夫はドラマの設定も踏まえて、好意的に解釈しようとしていた。ドラマの方は、長瀬智也&岡田准一が主演。一部マスコミは落語ブーム到来とかあおってたけど、クドカンの脚本はダメ。
 
 

Ai「Story」

 作詞:AI/作曲:2SOUL for 2SOUL MUSIC INC

 7月のアルバム『MIC-A-HOLIC A.I.』からの先行シングル。当初、ジャネット・ジャクソンのバックダンサーをやってたなんてことを売りにしていた彼女も知名度が上がってきたところで、ありがちな歌いあげるタイプの曲をリリース。これがまたウケるんだな。♪一人じゃないから キミが私を守るから~というフレーズは何度も聞かされた。守られる立場を自分が守る側かのように力強く歌うのは珍しいかも。言葉づかいが全般に幼い。
 
 
■音楽Topic 2005.05

 最後の長者番付でサラリーマンが初の1位、推定年収100億が話題になる1週間まえ。『サンデー・ソング・ブック』に大貫妙子登場。シュガーベイブ
30周年特集にからんで、エレック時代の思い出話になり、山下達郎は「印税なんかもらってないし、倒産したから、正確に何枚売れたかもわからない」と話していた。当時さんざん野次られた風潮について、「いまは〈2ちゃんねる〉とかの評論家ごっこになってるんだろうね」
 
 
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