松任谷由実「真夏の夜の夢」
作詞/作曲:松任谷由実
(142万枚/年間8位)
大御所そろいぶみの月。どれもドラマ・タイアップだったはずで、タイアップがそんなに売れるんだったらってことで、大御所から歩み寄ったのか、それだったら、いっそ大御所にということでTV局側が寄ったのか、事情はよく知らない。効果があるとすれば、大御所もドラマのことを考えたアプローチで、ちょっと雰囲気変えたりして。この曲はラテン・テイストで停滞気味だったユーミンが持ち直した。
井上陽水「Make-up Shadow」
作詞:井上陽水/作曲:彩目映
(81万枚/年間27位)
「真夏の夜の夢」とこれって、発売月もいっしょだけど、おなじように流行って、おなじようにかかってた印象があって、テイストもどことなしに似ている。まあ、陽水はいつもと変わるわけじゃないけど。♪誰かにバッタリ、恋がめばえたり~のとこは好きだった。あとのサビも〈なにかが今日はリアルでシュールな 青いシャドウに〉といったいつもの語呂合わせ風な無意味、そこが主題歌向きなんか?
国武万里「ポケベルが鳴らなくて」
作詞:秋元康/作曲:後藤次利
(52万枚/年間54位)
女性誌からバッシングにあい、芸能生命をたたれた裕木奈江主演ドラマの主題歌。そう、この時代はまだポケベルだったのだ。もともと外回りのサラリーマン用だったものが若者に普及して間もないが、またたくまに広がって、ほんの3~4年のうちにケータイにとって変わられた。数字しか表記できないのを逆手にとった女子高生たちの暗号ごっこが授業中にメモをまわしたりするのとおなじ感覚で普及、メール文化の先駆けとなった。
のはらしんのすけ「オラはにんきもの」
作詞:里乃塚玲央/作曲:小杉保夫
(36万枚/年間79位)
アニメ『クレヨンしんちゃん』主題歌。ヘンなバランスのデカい顔、〈子供らしいお下劣さ〉が売り。個人的には好きじゃないけど、モノマネする人間も多く、人気爆発。それも、芸人の類だけでなく、宇多田ヒカルをはじめ、女性アイドル系がよくマネた。ふざけたしゃべり方がマネやすいこともある。パフィーの亜美もこのアニメが好きだった気がする。幼子を見ると、かわいいーとかけよったりする女性心理のあらわれか?
サザンオールスターズ「素敵なバーディー(NO NO BIRDY) 」
作詞/作曲:桑田佳祐
(49万枚/年間56位)
昨年につづき、シングル2枚同時リリース。はじめ聴いたときから、けっこう好きだなと思ったのに、世間は「エロティカ・セブン」に気をとられて、ほとんどこんな歌すらあったことすら忘れられてるだろう。売れた枚数ほどには世間に浸透してない。サザン得意の夏のさわやか系。「エロティカ・セブン」のテイストが受け入れられないことを恐れて、安全パイ的に出されたのではって気もする。結果は逆だった。
小沢健二「天気読み」
作詞:/作曲:小沢健二
コンサート・ツアーをキャンセルしてまで突然解散したフリッパーズ・ギターから先にソロを出した小沢健二だった。これまでの音楽性とはまったくちがった、ロックおやじを喜ばせそうなアプローチ。元相棒・小山田圭吾があとから出してきた作品については、「フリッパーズの音にピチカート・ファイヴの歌詞を載せたようなもの」とケナした。両者ともに、アルバムをリリースするが、1st対決ではボクは小山田圭吾が好きである。
桜っ子クラブさくら組「DO-して」
作詞:西脇唯/作曲:斉藤英夫
テレビ朝日『桜っ子クラブ』の番組内ユニットによる。2ndシングル。デビュー曲は92年11月発売の「なにがなんでも」。同番組のオーディションに合格した菅野美穂が今作より参加している。
●山下久美子「ごめんね太陽」
作詞:森雪之丞/作曲:布袋寅泰
■音楽Topic 1993.07
鶴見済『完全自殺マニュアル』(太田出版)発売。自殺の手段を解説し、ベストセラーとなった。当時29才の著者は〈閉塞してどん詰まりの世の中に風穴を開け〉るために書いたとしている。けっきょく、〈首吊り以上に安楽で確実で、そして手軽にできる手段はない〉、その次が飛び降り自殺と統計通りで、樹海マップなどはおもしろいが、この本の魅力は自殺した人々のエピソードを集めたケーススタディにある。年間自殺者は2万人弱。
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