1980年06月発売のヒット曲と話題

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竜鉄也「奥飛騨慕情」

 作詞/作曲:竜鉄也
 (128万枚/翌年2位)

 演歌でシンガーソングライターというのも珍しいが、いつも濃いサングラスをかけている。なぜなら、彼は盲目歌手だから。演歌界のスティービー・ワンダーと言えるかもしれない。ま、楽曲も歌唱も非常に古典的だったけど。和服姿の女性につきそわれて歌番組に出てくるたび、子供心になにか見てはいけないようなものを見た気がしていた。しかも、いっしょの女性は人妻で、竜とは不倫関係にあることを週刊誌が暴露して……
 
 

長渕剛「順子」

 作詞/作曲:長渕剛
 (93万枚/年間5位)

 ♪おーお 順子 君の名を呼べば 僕はせ~つないぃよ。これでデビューしたときは、ばんばひろふみの「Sachiko」 とかぶったようなイメージの長髪フォーク兄ちゃんだったんですけどねぇ。ボクはさして好きではなかったけど、耳に残る曲だった。当時のファンはのちのヤクザ化右翼化にこまったろうが、ボクがはじめにズッコケたのは、ひさしぶりにTV出てきた印象のあった86年7月の「SUPER STAR★」における清志郎もどき歌唱だ。
 
 

田原俊彦「哀愁でいと」

 作詞/作曲:A.J.ディタラント、G.ヘムリック/訳詞:小林和子
 (69万枚/年間10位)

 トシちゃん衝撃のデビュー曲。人気ドラマ『金八先生』から生まれた〈たのきんトリオ〉の一番手。念のために言っとくと、田原+野村+近藤で〈たのきん〉である。オーディションのとき、年令をゴマ化していたのは有名。あの松田聖子をおさえ、主要な新人賞のほとんどを獲得、アイドル新時代を告げた。鼻にぬけるというのともちがう独得の歌唱法はだれがどう聞いても、アホにしか聞こえない画期的なもの。80年代の藤山寛美と言える。
 
 

斉藤哲夫「いまのキミはピカピカに光って」

 作詞:糸井重里/作曲:鈴木慶一
 (19万枚/年間74位)

 人々の印象に強く残るだけでなく、時代を象徴するようなCMの歌。ポッチャリ系のグラマーである宮崎美子が服をぬいでビキニ姿になる映像がウケた。それによって、シングルリリースが決まり、歌全体はあとから作られた。したがって、歌詞内容もCMを意識したものになっている。
 
 

山下久美子「バスルームから愛をこめて」

 作詞:康珍化/作曲:亀井登志夫

 ♪男なんてシャボン玉~というフレーズが有名な山下久美子のデビュー曲。94年にテレビ神奈川『Live y』で放送されたイベント「Live Girl POP」でChara(チャラ)をゲスト迎えての回、この歌を「おフロにつかると口ずさむ」と言っていた。そう言われると、歌詞がチャラっぽい気もする。声フェチのチャラは山下久美子のファン。作詞家じゃなくて歌手の歌とも言える。
 
 
■音楽Topic 1980.06

 大平首相が狭心症で急死。マイクで話しはじめるまえに必ず「あー、うー」と言うキャッチーなギャグをもっていた。時あたかも漫才ブームのころ。小学生に最も親しまれた首相の1人だろう。ちゃんとしゃべれないようなやつを総理大臣なんかにするな。名曲「アーウー・オジャママン」の元ネタ。いまでは死語なので、歌の中で「アーウー」は返事のように聞こえる。あれはキビしいツッコミに言葉がつまってるんでしょうね、たぶん。
 
 
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