1972年09月発売のヒット曲と話題

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天地真理「虹をわたって」

 作詞:山上路夫/作曲:森田公一
 (43万枚/年間17位)

 詞の面では、「とにかく制約が多かった」と作詞家にボヤかせるほど、清純さが強調され、3作連続の1位。〈抱きしめられる〉など論外、〈手を握りあう〉もNGだそうで、その結果、♪虹の向こうは 晴れなのかしら~と雨あがりに〈あなたを想って 歩く〉女の子の歌になった。〈並木の電話 かけようかしら 話すことなど ないけれど〉〈愛を胸に とんでゆきたい〉んだって。プロの作詞家志望はこの課題に挑戦してみよう。
 
 

山本リンダ「狂わせたいの」

 作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一

 すでに決まってたんだろう。つづけて、この曲が出たことで、路線が確定した。前作では、まだその強気に解釈可能な余地が残されていた。もはや、♪ぼやぼやしてたら 私は誰かの いいこになっちゃうよ~である。モテない女が言えるセリフではない。さらに、♪これほど可愛い女は二度とは お目にはかかれない~とダメを押す。そのあと、奥村チヨ風に〈恋のどれい〉になって、♪好き好き好きで燃えて 狂わせたいの~となる。
 
 

■芸能&音楽Topic 1972.09

 勢いの止まらない藤山寛美率いる松竹新喜劇はは7、8、9と東京で3ヵ月公演をおこなった。とくに、8、9月は〈リクエスト〉という企画で、代表的狂言20をリストアップし、その日なにをやるかは客のリクエストで決めるのだ。翌年には、第2回の〈阿呆まつり〉を含む、7、8、10の東京3ヵ月公演。
 金延幸子『み空』発売。細野+大滝+鈴木が協力して、ジョニ・ミッチェルやキャロル・キングにつながる世界を構築している。
 
 
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