平田隆夫とセルスターズ「悪魔がにくい」
（65万枚／年間5位）
大げさなタイトルのわりには、♪おまえが好きさ 好きなんだ たまらなく 好きなんだ おまえのいない 夜はつらい 悲しみ つのるばかり～とややマヌケ。♪だけど どうにもならない たまらなく 好きだけど ひとり迎える 朝はつらい 夜明けが 胸にしみる～てわけで、悪魔の正体は〈何故かわからない おまえの 移り気〉らしい。自分に落ち度はないのか。♪あんなに 愛し合ったはずなのに おまえが欲しい……ハハハ。
シモンズ「恋人もいないのに」
作詞：落合武司／作曲：西岡たかし
妙に皮肉なタイトル。田中ユミと玉井タエの女性デュオで、〈フォーク界のアイドル〉と呼ばれたりした。このとき18才の玉井タエは、スタジオ・ミュージシャンとして活躍していたベーシスト＝後藤次利と結婚。子供ももうけたが、〈恋の逃避行〉事件で、ダンナを持ち逃げされる被害者（？）となる。「恋人もいないのに」というが、現実には「主人もいたのに……」といったところか。歌は人気ある。
●仲雅美「ポーリシュカ・ポーレ」
（36万枚／年間17位）
■音楽Topic 1971.08
岐阜県中津川で、第3回フォーク・ジャンボリー開催。三上寛が登場、吉田拓郎をスターにし、あがた森魚は『蓄音盤』を地面に並べて泣きながら売っていた。途中ステージが占拠され、討論会になり、翌年からイベントはなくなった。いつの時代でも流行モノには大勢の人間が群がる。政治の季節が流行し、音楽のイベントなのに音楽とは本質的に無関係のやつらがからむ。掲示板の書き込みのように、群れのなかで匿名のヤジを飛ばす。
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