竹内まりや「不思議なピーチパイ」

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 当時の音楽業界の慣習で、デビュー曲は本人の作詞作曲ではない。小林信彦の最高傑作=小説『悪魔の下回り』に〈不思議なミートパイ〉という章があるのは、この題名のもじりだ。この章だけ突然、片岡義男の文体模写になる――そういう洒落た気分を出したい意向が汲み取れる。つまり、ポップスの名曲としての採用だが、元祖・帰国子女シンガーのはずの竹内まりやは自分で作詞をするようになって、中島みゆき風のエグみが出てくる。

●作詞:安井かずみ/作曲:加藤和彦
 (39万枚/年間30位)

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