内山田洋とクールファイブ「噂の女」

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 ○作詞:山口洋子
 ○作曲:猪俣公章

 1970年7月発売(47万枚/年間14位)
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 デビューは前年2月の「長崎は今日も雨だった」で、いまだに結婚式なんかで歌ってる人がいるはずだ。4月の「愛の旅路を」もヒットしたけど、代表曲というか、ボクの好きなのは、やっぱこれでしょう。
 なんといっても、リード・ヴォーカル=前川清のインパクトが大で、
「♪うわさあ~あ~あ~あ~あの」
 と、ねばる。
 さて、ここで問題です。内山田洋とクールファイブのメンバーは何人でしょう? ファイブだから5人って答えた人はまちがい。内山田洋をたさなきゃならない。正解は6人。
 それにしても、クールファイブは直訳すれば、〈カッコいい5人〉だ。内山田洋とカッコいい5人――じゃ、内山田洋はカッコよくないのか?
 たしかに、ゴリラ系の顔立ちではあるけれど……メンバーにはもっとゴリラな、というか、ゴア大佐と死神博士を混ぜたようなインパクトの強い顔の人(あえて名は伏せます)や正面から見た顔の輪郭のあたりまでひたいのハゲあがったメガネの人(あえて名は伏せます)がいる。なにもリーダーひとりを責めることはない。
 それとも、そういうヒップホップ的ニュアンスではないのか。当時の〈クール〉は、さめたふるまいってニュアンスか? 内山田洋とさめてる5人――あかんやん。チームワークないやん。コーラス・グループやのに。
 てことは、やっぱ〈クール〉は本来のクール宅急便とかの、そういう意味で使われてるんかな。内山田洋と冷凍された5人――死んでるやん。
 それはともかく。ボクは彼らからいろんなことを学んだ。若ハゲとかね。キャプテンとエースがちがうグループのスタイルとか。
 もっと言うと、彼らの最盛期も知らないんだけどね。歌よりTVタレントのウェイトが大きくなっていたころと思う。自分たちがメインの番組こそいなかったものの、ボクからすれば、SMAPなんかの祖先だ。
 まあ、アイドル・グループなんだけど、女言葉はうまい。これって、ファン層=女性が感情移入しやすいから、かしこい戦略かもしれない。少々捨てばちで、どこか自己愛的な歌詞だ。

 ♪嘘と涙のしみついた
  どうせ私は 噂の女

 内山田洋とクールファイブ的な音楽というのは、ボクにおばあちゃんちを思い起こさせる、母方の。昔は八百屋だったらしいんだけど、ボクが物心ついたときは釜飯屋をやっていて、といっても、開くのは夕方、焼き鳥もある、ようは一杯飲み屋である。ジュークボックスがあった。ハードな水商売の世界はボクは知らないから。神戸下町路地裏のそんなネオンの景色が浮かぶ。

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