○作詞:山上路夫
○作曲:かまやつひろし
○編曲:かまやつひろし
1970年4月発売(万枚/年間位)
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ロカビリー・ブームをプレスリーの歌謡曲的輸入だとすれば、グループ・サウンズ(GS)のブームはビートルズの輸入である。
GSのまえに、ベンチャーズをきっかけにしたエレキ・ブームがあったが、どちらかというと、やり手の問題であって、聞き手に浸透するには、インストじゃちょっとつらい。沢田研二や萩原健一といった男前が歌うことによって、GSは大ブームになる。彼らがいたザ・タイガースやザ・テンプターズの先輩格にあたるのがザ・スパイダーズ、そこではムッシューことかまやつひろしが音楽面でのリーダーだった。
考えようによっては、65年のメジャー・デビュー曲「フリフリ」を日本のロックのはじまりとすることもできる。
阿久悠の証言によると、かけだしの作詞家だった阿久悠やバンドメンバーによるオリジナルの作品が多いのは、大御所たちが「あんなのは一過性のものだから」と言って、書きたがらなかったからだそうだ。それが90年代になって、ガレージやサイケをキーワードに海外で評価されたのは、ご存じの通り。
ま、本質は芸能という枠での流れで、これぞジャパニーズ・ロックンロールと過大評価はするべきではない。才能ある人間なんてそうそういないし。おそらく、ピークはかまやつひろしのオリジナル曲が炸裂した6枚目のアルバム『明治百年、すぱいだーす七年』あたりだ。
「どうにかなるさ」は、そんなムッシューのソロ・シングル。
♪見なれた街の明かり 行くなと呼ぶ
けれどもおんなじ暮らしに疲れて
どこかに行きたい どうにかなるさ
いいですね。ちょっとフォーク調ではあるけど、女々しくないっしょ。ボクの考える男らしさというのは、マッチョな世界よりも、こういうの。