サルトルとフランスのテロ

Pocket

 いま、NHKの100 de 名著は実存主義を取り上げている。

 サルトルは哲学者として、いわばアイドル的な人気を得て、一世を風靡しただけに、哲学の世界では少し古い思想だとも言われている。しかし、そんなことおかまいなく、サルトルは生前、自由な男女関係を維持しつつ、政治に参加しつづけた。

 そんな13日の金曜日、フランスで大規模な同時テロが発生。3ケタに達する方が亡くなった。

 殺人じたいもともと許されるものではないが、テロがやりきれないのは、直接関係のない方々が巻き添えを食って命を落とすところにある。実行犯のほとんどは射殺されたり、はなから自爆テロだったりする。それでは、無差別殺人をして自殺するやつと変わらない。

 かりに、言いぶんに聞くべきところがあったとしても、意見を言う、というのは、そんなことじゃないはずだ。

 サルトルにかぎらず、過去に支持を得たさまざまなる思想たちよ、あんなにも普及したはずなのに、なぜ現実を救えないのか。
 
 
  『NHK 100分 de 名著 サルトル『実存主義とは何か』 2015年 11月』 ⇒ 詳細はこちら
 
  『嘔吐 新訳』 ⇒ 詳細はこちら
 
 
【関連記事】
 【本の売れ筋】『哲学用語図鑑』