1990年02月発売のヒット曲と話題

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高野寛「虹の都へ」

 作詞/作曲:高野寛
 (27万枚/年間35位)

 高橋幸宏が鈴木慶一とやっていた〈T・E・N・Tレーベル〉からリリースされた。同レーベルは史上最強のバンドを作るとかいうオーディションをやっていたが、けっきょく、志半ばで挫け、そこでピックアップした高野寛が世に出ただけでおわった。このシングルを含む3rdアルバム『CUE』はプロデューサーにトッド・ラングレンを迎え、ヒット。上質のポップ・センスをもつ人だったが、なにかが欠けていて、一発屋でおわった。
 
 

聖飢魔II「BAD AGAIN ~美しき反逆~」

 作詞:デーモン小暮/作曲:Sgt.ルーク篁III世

 デーモン小暮閣下が一般にも知られるようになったのは、やはりこのバンドブーム期なのだが、立ち位置はそこいらのバンドとはちょっとちがった。ヴィジュアル・インパクト(視覚)を重視しているのに、人気の根っこはオールナイト・ニッポンのパーソナリティー(聴覚)という分裂した状態のせいか。閣下のユーモアの質もしくは悪魔がテレビ向きじゃなかったってことだろう。テレビに出るときは、いじられる役になるのであった。
 
 

高橋幸宏「1%の関係」

 作詞:鈴木慶一/作曲:高橋幸宏

 〈痛み3部作〉のトップを飾る『BROADCAST FROM HEAVEN』 からのシングルカットだが、このアルバムはあまり好きではない。個人的には、アコースティック・テイストで録音し直されたベストアルバム『HEART OF HURT』 ヴァージョンの「1%の関係」が好き。この歌詞はシングルカットされていない鈴木慶一の「GOD SAVE THE MAN」に通じる世界で、ケラの短編『ライフ・アフター・パンク・ロック』にも影響をあたえているはず。
 
 
■音楽Topic 1990.02

 17日(正確には、18日未明)の『オールナイト・ニッポン』土曜2部はモスクワからの生放送。ロシア人とのハーフであるパーソナリティーの川村かおりが、マクドナルドに集まる人々にロシア語でインタビュー、それを通訳する。なぜ突然こんな企画を──と思うかもしれないが、時代はゴルバチョフなのであった。ロシア人はハンバーガーをナイフとフォーク持参で食うそうだが、パリでは、中華をまるでフランス料理のように食っていた。
 
 
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