『リーガル・ハイ』の評判

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 『掟上今日子の備忘録』で新垣結衣がヒロインをつとめている。以前の彼女がヒロインをつとめた『リーガル・ハイ』の記事が出てきたので、再投稿しておく。が、読み返したら、新垣結衣のことは間接的にしかふれてないでやんの。でも、あのドラマの新垣結衣はキライじゃなかった。『掟上今日子の事件簿』もキャラはぜんぜんちがうが、延長線上にあると思う。あのコスプレは原作のファンの人はどう思ってんだろ。
 
 
■初出2012.6.28

 春からのドラマで、いちばんの話題作だったと言っていい『リーガル・ハイ』。エキセントリックな主人公を若いヒロインが見守るというギャグマンガの公式を使い、マンガには向かない多弁なドラマにした。

 ヒロインを「朝ドラ」と呼び、キレイゴトの世界を徹底的に茶化す姿勢は最終回まで貫かれていた。が、秋元康や政治家の小沢を思わせる人物をからかう〈毒〉は知れてるし、5分に1度笑えるなんて評価も眉ツバだ。
 笑わせるという点では、『カーンネーション』『梅ちゃん先生』と視聴率も好調の朝ドラの方が的確である(笑いの質を認めるかはべつとして)。

 『リーガル・ハイ』が笑えないことについては、演出の責任も大きい。ヒロインが頭をかきむしったりする記号表現もともかく、タイミングの大切さをわかっていない。
 最後に明かされる主人公と悪役の遺恨のオチもそれに対するヒロインのリアクションも完全に読めてしまった。

 笑いの見せ方という点では、ミュージカルみたいなものをしようとしてた『カエルの王女さま』の天海祐希がカット切れ目で見せるリアクションの方がそれらしかった。ありきたりだったけど。そのかわり、作品全体はそれこそ、みなさんの大島優子が演じた役柄をはじめ、『リーガル・ハイ』が仮想的とするお涙頂戴ドラマだった。

 『リーガル・ハイ』はゴールデン・タイムのドラマとして、スタンスに好感はもてるが、コメディと称するからには、笑わせてくれないと、というところである。
 
 
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 P.S.
  ノベライズ公式BOOKまで出ている。