ダ・ヴィンチ・コード(2006年)

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 いわゆる都市伝説ノリのキリスト教版。原作はベストセラーで、映画の方も第2作『天使と悪魔』(原作の発表順でいえば、こちらが第1作)が作られたくらいヒットした。

 しかし、伝説の方は、予備知識がある人間が見ても、映画だけでは理解がむずかしい。そのへんに興味のある人は本を読んでくれ、映画は観光案内のプロモーション・ビデオなんだというつもりなのかもしれない。

 ビジネスとして見た場合、原作の成功は、元ネタのノンフィクションをハリウッド風のストーリーを使ったミステリに仕立てたことにある。それをそのまま、アメリカでアクション映画にされてもな。典型的な人物配置とプロットで。

 内容は、虚実入り乱れての伝奇小説といったところで、それだったら、山田風太郎を読む方がいいわけだ。もっとも、山田風太郎も映画では成功していない。

 ちなみに、『プリンセス・トヨトミ』の中心アイデアは、『ダ・ヴィンチ・コード』に似ているが、大坂夏の陣といえば、『くノ一忍法帖』だ。

  『ダ・ヴィンチ・コード』の詳細
  『ダ・ヴィンチ・コード』の原作
  『ダ・ヴィンチ・コード』の元ネタ
  『天使と悪魔』の詳細
  『プリンセス・トヨトミ』

  山田風太郎『くノ一忍法帖』