北山修と加藤和彦「あの素晴しい愛をもう一度」

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 ○作詞:北山修
 ○作曲:加藤和彦
 ○編曲:葵まさひこ

 1971年4月発売(23万枚/年間46位)
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 ♪あの時 同じ花を見て
  美しいと言った二人の
  心と心が 今はもう通わない

 というフレーズはせつない。それであればこそ、〈あの素晴しい 愛をもう一度〉というクサいセリフが胸にしみる。
 子供のころ、このサビの部分だけ聞きかじって知っていたボクは、世にあふれるくだらない歌のひとつだと思っていた(教科書に取り上げられるフォークソングの類ね)。
 この歌のよさを知ったのは、空手バカボンのカヴァー・ヴァージョンによってである。カヴァーの動機はおそらく、子供のころのボクとおなじような心境から、おちょくってやれ、という気持ちだったんじゃないかと想像するが、チープなテクノにドヘタな歌──というよりは、わざと汚した歌唱──に、むちゃくちゃなコーラス、
「あの素晴しい 愛をもう一度」
 という演説調の叫びなどによって、クサ味は解体され、詞のもつ詩的な着眼点がクローズアップされることになった。
 北山修と加藤和彦の2人は古い人はご存じフォーク・クルセダーズのコンビだ。フォークルの「帰ってきたヨッパライ」(67)はテープ操作によるヘンな声のコミックソングと一般には思われているが、その動機にあるのは、レコーディング・アーティストとなった後期ビートルズで、ボクはこれこそ元祖テクノだと思っている(曲のユーモアにくらべ、詞の〈笑い〉の部分は平凡。大阪弁の神様っていうのは、ちょっとおもろいが)。
 覆面歌手として、「メケ・メケ」のカヴァーなどをやっていた加藤和彦のキャリアは古く、はっぴいえんど以前の重要なミュージシャンの1人だが、この後、これまた有名なサディスティック・ミカ・バンドを結成し、海外進出。そのドラマー=高橋幸宏がYMOに参加することで、2つの流れは合流する。

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