○作詞:北山修
○作曲:杉田二郎
○編曲:馬飼野俊一
1971年2月発売
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反戦フォークやフラワー・ムーブメントみたいなものの、最も誤解された形というか歌というのが、こんなものならば、ボクらはわざわざ聴く必要はないと思わされる内容だ。
作詞は北山修なんだけど、ね。
あまりにも屈折を知らなさすぎるというか……
この歌は歌謡界でのヒットというよりは、ジャーナリズム的な話題作といった方がいいかもしれない。
歌謡曲に世代論を持ち込んだ着眼点は、企画力としては優秀だ。たとえば、終戦の思い出の曲の類は終戦のころによく口ずさまれた流行歌というだけで、その状況を意図的に歌に詠み込んだものではないからだ。
♪戦争が終わって 僕等は生れた
当時の大人たちは、なにかというと戦争体験を持ち出した。
「いまの若いやつは飢えた経験がないから」
といった論調だ。それのどこが悪いといった反発は、よくとれば、パンキッシュと言える。でも、その解決方法が、
♪今の私に 残っているのは
涙をこらえて 歌うことだけさ
というのでは、あまりに無責任というか。しょせん、ベトナム戦争が他人事でしかなかった国の若者なんだなあって。