貫地谷しほりの演技が堪能できるドラマ『ミス・シャーロック』

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しーちゃんこと貫地谷しほりの新ドラマ『ミス・シャーロック』がはじまった。といっても、huluである。

貫地谷しほり ミス・シャーロック

これまで動画配信サーヴィスはAmazonのprimeしか使ってなかったので、これを機に初視聴。じつは、チケットを使える立場にあるのだが、ひとまず、2週間のお試し。登録は簡単で、クレジットカードが承認されたら、今日(2018年4月27日)10時配信スタートの『ミス・シャーロック』の案内がドーンと出てたから、クリックしたら、そのままドラマがはじまった。

機内のシーンからで、
「あ。奥に、しーちゃんがいるっ!」
と、うれしくなる。そこで、もの思いにふけるような表情を見せたあと、出迎えてくれた医師に見せる喜びの表情、そこから一転、驚きと悲しみ。遺族に見せる、いたわり。無神経な相手に見せる怒り。場面変わって、ヘンな人物に対しての受けの表情でコメディエンヌとしての資質を見せたあと、熱く語り、
「てか、ぜんぜん聞いてないししっ!」
とルーティンのノリツッコミ的演技までこなす。

という具合に、プロデューサーさん的確な人選だねとばかりに、しーちゃんオンパレードな展開である。

ちなみに、主役のミス・シャーロックは竹内結子で、貫地谷しほりは「和都さん」役。この2人、過去に医療ドラマで共演して、家に遊びに行くような仲良しだったはず。

原作(と呼んでいいのかな。ようするに、シャーロック・ホームズ)の主要人物2人を女性に置き換え、現代日本を舞台にストーリーを展開するのがミソである。もとが男性ってのが影響してるのかもしれないが、こうして見ると、竹内結子は顔が少年っぽい。どことなく、二宮和也に似ている(まあ、ニノも実年令は少年じゃないが)。

1話47分のいわゆる1時間ドラマ(海外ドラマの尺かな)。地上波だと、好きな女優がひどいドラマに出ていて、ツラくなることがあるが、『ミス・シャーロック』に関してはそういうこともなさそうである。ミス・シャーロックのキャラはいまどきのアニメに出てきそうな感じで、話もそこそこまとまってる。ただ、原作の名探偵という職業はそのまま移すのがムリなので、コンサルタントを警部権限で雇っているという苦しい設定になってる。したがって、シャーロック・ホームズという原典をまったく無視して見れば、推理モノというよりは毛色の変わった刑事ドラマみたいな感じである。

あと、本格ミステリは元来、人間を描くことに興味がないので、それを現代の視聴者に合うように、人情話というか社会の矛盾みたいなものを取り入れてる。そこを担当するのがゲストで、初回は水川あさみ。うつむき加減の暗い表情で登場したときは、一瞬だれだかわからなかった。彼女が演じる人物だけが脚本上の造形に少し疑問が残る。しかし、そんなことよりも、なんでこのメンツでコメディじゃないんだって話だよな。警部にコキ使われる部下だって、ホントはもっと笑いの方向にもっていかなきゃならないのに、初回を見るかぎりはミス・シャーロックに反発するだけの人物になってる。

コミカルな要素はあっても、基本の作りはコメディではないし、シャーロック・ホームズのパロディでもない。キミ犯のファンとしては、笑いの部分はものたりない。
「こまったちゃんの相手をさせられて、いろいろな表情を見せる」
という点では、キミ犯とおなじ構造なのに。

2話以降はコメディの王道である居候モノの設定が加わるようなので、笑いも期待したいのだが。

このドラマ『ミス・シャーロック』は世界で配信されるそうで、先日、ワールド・プレミアなるものもおこなわれた。しーちゃんのコメディエンヌぶりは世界で通用すると思うので、歯がゆい。歯医者に行きたいほどに。

最近、インスタグラム更新の情熱が落ちてるようなのは気になるが、ドラマの方は貫地谷しほりが進行役とコメディリリーフを一身に背負って、全8話楽しめそうである。
 
 
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