古谷実のマンガ『わにとかげぎす』が連載から10年後に深夜ドラマとなった。主演は、くりぃむしちゅーの有田哲平。モデルの本田翼や水曜日のカンパネラのコムアイが共演。
このドラマは配役が絶妙で、主演の有田哲平からして、
「ああ、そうだわ。古谷マンガの主人公って、こいつだわ」
と思わせた。原作の富岡ゆうじは、32才の夜間警備員って設定なので、有田だと10何才か上なのだが、もってる空気感が合う。まあ、演技はヴァラエティ番組での即興コントみたいだけど。
コムアイは前半で死んでしまうが、じつは中国人である吉岡を演じた。もともと、映像比重の高い歌手ではあるが、個人的には、音楽動画の中のコムアイの方が好きだな。役に自分をハメすぎて、水曜日のカンパネラ的にそれでいいのかって不安になる。
女優としての力量を見せたのが本田翼だ。最近だと、ちょうど同時期に特番が放映された『校閲ガール』でも、石原さとみよりずっとよかった(石原さとみがどうっていうんじゃなくて、脚本がなー)。といっても、『校閲ガール』では、雰囲気出してる程度だったが、『わにとかげぎす』の羽田役はすごかった。古谷マンガのエキセントリックな女性マンガを見事演じ切った。
本田翼の演技を見れば、マンガとしての映像が浮かぶくらいで、こういう人こそ2.5次元と呼ばれるべきではないのか。
これまで、気にはしていても熱心に追いかけなかったのは、本田翼は素がそれほどおもしろくないのだ。内からわきあがるものが少ないタイプなのだろう。ところが、なにか課題をあたえられたときの消化力がすごい。なるほど、モデルは天職だと思う。今後も、マンガが原作のドラマは積極的に起用して欲しい。暗い、不機嫌、性格悪い、壊れてる美人といったキャラならうまくこなすはずだ。
DVD/Blu-rayやTBSオンデマンドで見られるので、見逃した方はそちらでどうぞ。
『わにとかげぎす』 ⇒ Blu-ray BOX
『わにとかげぎす』 ⇒ DVD-BOX
『わにとかげぎす』 ⇒ TBSオンデマンド
ちなみに、TOKIOの主題歌は、今風で作品の雰囲気には合ってた。
●TOKIO「クモ」
作詞/作曲:長瀬智也
2017年8月発売(週間8位)