安田成美「風の谷のナウシカ」
作詞:松本隆/作曲:細野晴臣
宮崎駿監督の名を世間に印象づけることになった映画『風の谷のナウシカ』の主題歌として作られた。サビも♪風の谷のナウシカ~である。にもかかわらず、宮崎駿とプロデューサーの高畑勲の反対により、作中で使用されないという事態に。イメージ・ソングという扱いになった。
世評では、安田成美の歌がヘタすぎるからということになっているが、この手の中傷はいつの時代でもあることだから、ほうっておくとして、細野晴臣ファンとしては、理由の詳細を知りたいところだ。表向きの理由としては、作品内容と合わないから、ということになっている。映画の音楽はその後、ジブリ作品でおなじみとなる久石譲が担当することになった。
この曲「風の谷のナウシカ」が名曲かもと思うのはサビの部分であって、ユーミンが、
「私が歌ってるのかと思った」
とかいう噂のもともこのあたりのことだろう。じつはAメロが弱い。かなり平板で、それこそ歌唱の問題もあるのだろが、松本隆の作詞がありきたりのキレイゴトすぎるのではないか。この時期、詞を書いてた薬師丸ひろ子に似たような感じのがある。作曲面では、転調のしかたについてユーミンが言及している。
個人的にはサビがこびりついて、勝手に増幅されていて、いま聴くとどうということはない。イメージ上ではもっとインパクトがあった。当時の音楽状況との関係もあるのだろうか。
●チェッカーズ「涙のリクエスト」
作詞:売野雅勇/作曲:芹澤廣明
(66万枚/年間4位)
●中森明菜「北ウイング」
作詞:康珍化/作曲:林哲司
(56万枚/年間9位)
●アルフィー「星空のディスタンス」
作詞/作曲:高見沢俊彦
(52万枚/年間11位)
●テレサ・テン「つぐない」
作詞:荒木とよひさ/作曲:三木たかし
(25万枚/年間42位)
●渡辺典子「少年ケニヤ」
作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜堂
(23万枚/年間52位)
■音楽Topic 1984.01
戸川純のアルバム『玉姫様』が細野晴臣のプロデュースで発売される。いわゆるサブカル系の少女たちに衝撃と多大な影響をあたえた。
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