1979年08月発売のヒット曲と話題

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柳ジョージ&レイニー・ウッド「微笑の法則~スマイル・オン・ミー~」

 作詞/作曲:柳ジョージ
 (28万枚、年間45位)

 資生堂のCMソング。柳ジョージを聴いて驚くのは、声の不良っぽさだ。宇崎竜童からふざけたところをなくした感じ。声質でいえば、いちおクールスにいたミュージシャンであった、岩城晃一とおなじ系列だ。いちお、日大出てるし、最初ギターを買うことを親に反対されたって話からしても、育ちは不良ではないと思うんだけど、ちがうのかなあ……

 48年1月横浜生まれだから、細野晴臣と〈学年でいえば、いっしょ〉だ。ポール・アンカやニール・セダカを聴いて育ち、ベンチャーズにショックを受け、ギターを手にするおなじみのコース。大学時代にいくつかのバンドを結成。69年にパワーハウス名義でアルバムを出すものの、パッとせず、それっきり……というのは、エイプリル・フールまでの細野晴臣の歩みと似通ってる。

 ちがうのはその後で、向こうがはっぴいえんどをはじめたころ、玄人ウケしてた不良のGSバンド=ゴールデン・カップスに参加。72年解散。成毛滋との渡英をはさんで、75年、柳ジョージ&レイニーウッド結成。

 77年には、萩原健一主演のドラマ主題歌「祭ばやしが聞こえる」をレイニーウッドではなく、井上尭之バンドをバックに歌う。そこでのつながりなのか、たしかショーケンとからんだアルバムみたいなのが出てたように思う。78年に、レイニーウッドとしては初のアルバムを出した。

 80年には、日本武道館でコンサートをおこなう。当時はまだまだ武道館コンサートなんて珍しかった。なのに、なぜか柳ジョージという人はメジャー感のない人で、つねに、玄人好みな雰囲気をまとっている。バンドも翌年解散。

 んー、なんだろ。時代的には、「男達のメロディー」(喜多條忠/ケーシー・ランキン)の、というか『探偵物語』(79~80)の主題歌で有名なSHOGUNなども併走していて、カッコいいバンドとカッコいい役者がいた時代っていうのかな。彼らははっぴいえんどに敗れた英語派ロックの末裔って気がする。

●大橋純子「たそがれマイ・ラブ」

 阿久悠/筒美京平
 
 
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