1974年10月発売のヒット曲と話題

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かまやつひろし「やつらの足音のバラード」

 作詞:園山俊二/作曲:かまやつひろし

 10月5日放送開始『はじめ人間ギャートルズ』のエンディングテーマ。どこまでもまっすぐな地平線が続くギャートルズ平原に、原始人のはじめ人間たちが住んでいる。巨大なマンモスを輪切りにして食べたりしている彼らの生活は実におおらかな物だ。類人猿のドテチンといつも一緒に行動している、はじめ人間の少年・ゴンは、少々頼りない男の子。いつも母ちゃんに文句を言われている酒飲みの父ちゃんに、狩りを教わったりしながら、りっぱな原始人になっていくのだ。
 
 

サディスティック・ミカ・バンド「タイムマシンにおねがい」

 作詞:松山猛/作曲:加藤和彦

 厚生年金ホールでのワンマン・コンサートをへて、話題のアルバム『黒船』の先行シングルとしてリリースされたサディスティック・ミカ・バンドの代表曲。ただし、イギリスでは、カップリングの「颱風歌」の方が「Typhoon」 としてシングル・カットされた(75年6月)。理由はポップすぎて、エキゾチシズムが少ないからか? 楽曲はのちの海外進出するガールズ・バンドの先駆的なミカのヴォーカルの魅力が存分に発揮されている。

下田逸郎「踊り子」

 
 
 レコード会社を移籍して、小ヒット。エッチなソングライター=下田逸郎の最初の代表曲(って、これはべつにエッチじゃない。川端康成の『伊豆の踊り子』はロリコン・ポルノ小説だけど)。なんでも、カタカナ、英語で歌いたがる風潮を否定する風潮があるけど、しかし、〈踊り子〉と〈ダンサー〉ではずいぶんちがう。アルバム『飛べない鳥、飛ばない鳥』収録。桑名正博がソロ・デビューする際には、プロデューサーを務めた。

野口五郎「甘い生活」

 (29万枚/翌年34位)
 
 
 71年に演歌でデビューした野口五郎は、郷ひろみや西城秀樹にくらべるとパッとしなかった。郷ひろみほどの王子様性はなく、西城秀樹ほどのバタくささもなく、おそらく、あの2人の過剰さが好きになれない層を取り込んだのではないか。そう考えると、漁夫の利で、じつはいちばん売れてもよかったはずなのに、セールスもパッとしなかった。野口五郎は下からのカメラアングルのときはすごく美形なのに……顔が長いのかな?
 
 
●小柳ルミ子「冬の駅」

 (34万枚/翌年27位)
 
 
■世相 1974.10

 前月30日、札幌市の裁判で公団が敗訴したことにより、日照権が話題に。
 朝日新聞の連載、有吉佐和子『複合汚染』。
 農地の科学肥料、作物は農薬まみれ、加工食品は着色料に防腐剤、文明の危機を世に訴えた。

 14日。読売ジャイアンツ・長嶋茂雄引退。
「巨人軍は永久に不滅です」
 
 
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