1972年06月発売のヒット曲と話題

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ガロ「学生街の喫茶店」

 作詞:山上路夫/作曲:すぎやまこういち
 (76万枚/翌年3位)

 CSN&Yに影響を受けた1stアルバムから一転、歌謡曲の作家陣に依頼したシングルが大ヒットした。見事に〈魂を売った〉バンドだ。マーク、トミー、ボーカルなどと遅れてきたGSみたいなニックネームをつけられて、アイドル的人気を得て、レコ大受賞や紅白出場など歌謡曲の王道を歩む。一方で、メンバー間はデビュー時からすでに不仲。この歌の詞はフォーク色が強いものの、ユーミンを少し先取りしたようなとこがある。
 
 

サディスティック・ミカ・バンド「サイクリング・ブギ」

 作詞:つのだひろ/作曲:加藤和彦

 加藤和彦がつのだひろ、ミカと前年の11月に完成させたこの「サイクリング・ブギ」がサディスティック・ミカ・バンド結成のきっかけとなった。自身のドーナツ・レーベルより第1弾リリース。まだ、日本のロックなんてものがようやく生まれたばかりのようなころに、ロックと従来の歌謡曲を自在に行き来するような楽曲を作った加藤和彦の精神の自由さは感嘆に値する。個人的にはカップリングの「オーロラ・ガール」が好きだけど。
 
 
●麻丘めぐみ「芽ばえ」
 (38万枚/翌年17位)
 
 

おすすめの歌

 山本リンダ「どうにもとまらない」
 
 

■音楽Topic 1972.06

 11日、田中角栄通産大臣が日本列島改造論を発表。これ以降、土建国家と呼ばれるとんでもない政治がはじまる。55年体制と呼ばれる自民党一党支配は、ここまで戦争のニオイがキツかった。ここからは金のニオイがプンプンしてくる。いわゆる高度成長は翌年のオイルショックでいったんおわる。のちの土地ころがしバブル経済の原点はここにあった。詳細は立花隆にゆずる。10日後、「ゴッドファーザー 愛のテーマ」が日本発売された。
 
 
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