ツッコミとボケと人気脚本家

Pocket

 いつもならスルーする、クドカンのエッセイについ目をとめた。近年、自分の作品の評語として口にされる、
「ツッコミどころ満載」
 という言葉への違和感を表明していた。笑いはボケとツッコミだけではないと述べ、評者の言う「ツッコミ」がそもそもツッコミではない点(大きな声で言っているだけ)にもふれていた。

 以前、おれもどこかに似た趣旨の文章を書いたことがある。上方漫才にボケ・ツッコミがあるのはひとつの様式で、ツッコミを必要とする笑いはそもそも低級である。低級がすべて悪いとは言わぬが、低級であることにまちがいはない。ところが、低級な人間にかぎって、「お笑い」などと差別用語を口にし、自分は高級なつもりで「ツッコミがどうの」と知ったかぶりをするのだ。

 このエッセイが載っている週刊文春では、先日、TV番組についてのアンケート結果を報じていて、採用されるコメントの右寄りなことが少々コッケイだったが、それはともかく。同アンケートで、好きな番組の上位に挙がっていたのが『あまちゃん』だった。その他は現在、放映中の番組がならんでいるのにである。ブームはとっくに去ったかと思っていたが、根強い人気なんだね。

 『あまちゃん』以前のクドカンのドラマは認めていない。ちゃんと見たことないので批判はしないが、いっしょに部屋にいる女がつけているのを横目で見たことぐらいはある。ただ、以前から一部に熱い支持を受けていたことぐらいは知っているので、記録として書いておくと、クドカンがドラマの中でボケ・ツッコミ的な会話を書いて楽しかったのは『木更津キャッツアイ』までだったという。

 で、その後、増えた若者の言い回しが、
「○○かよ」
「○○じゃねーし」
 だそうだ。非関西圏のツッコミ用語ってことなんだろうな。
 
 
P.S.

 ついでに言うと、いま朝ドラの『あさが来た』に主演しているのが『ごめんね青春!』で憧れの女性役をやっていた波瑠である。で、この『あさが来た』には『吉原裏同心』に出ていた男優陣が似たような役回りで出ている。